最後の「美轆展」29日まで 福島市の土湯温泉 こけし1000点、展示販売
東北地方のこけし工人らでつくる美轆会(みろくかい)の最後の展示販売会「美轆展」は28日、福島県福島市の土湯温泉観光交流センター「湯愛舞台(ゆめぶたい)」で始まった。開場前から多くの人が行列を作り、約30年間の活動の終了を惜しんだ。会期は29日まで。 美轆会は1991(平成3)年に市内の土湯系こけし工人の陳野原幸紀会長の呼びかけで結成された。先人から伝承された技術を守りながら、買って喜ばれる作品を目指してアレンジを加えるなど、会員それぞれが切磋琢磨(せっさたくま)してきた。しかし工人の高齢化などを理由に、今回の展示会をもって解散する。 展示販売会には美轆会に所属する18人のこけし合わせて約1000点を並べている。「ぼうし」をテーマに各会員のこけしを集めた作品もある。陳野原会長は「つながりの薄かった工人たちと親睦を深められたのが一番の成果。ぜひ門出を見届けに来てほしい」と来場を呼びかけている。
入場無料。時間は午前10時から午後3時まで。