マキノ正幸さん＝２０１８年撮影

　安室奈美恵さんやＳＰＥＥＤ、ＤＡ　ＰＵＭＰら数多くの人気タレントを輩出した、沖縄アクターズスクールの創業者・マキノ正幸さんが敗血症性ショックのため、６月２８日に亡くなったことが１日、分かった。８３歳。京都市出身。同スクールの公式ホームページで発表された。近年は病気療養中だったという。葬儀は故人と家族の意思で家族のみで執り行われた。 　確かな目利きで多くの才能を発掘してきたマキノさんが逝った。かねて病気療養中だったという。 　祖父は「日本映画の父」と呼ばれた牧野省三さん、父は映画監督のマキノ雅弘さんで、母は元宝塚歌劇団で女優・轟夕起子さん、俳優の長門裕之さん、津川雅彦さんはいとこという、芸能一家に生まれた。実業家などをへて、８３年に沖縄アクターズスクールを開校し、数多くの才能を見抜いた。 　かつて「僕の人生を変えた」と語っていたのは、安室さんとの出会い。友人の付き添いでオーディションに来ていた当時１０歳の安室さんを見初め、授業料免除で入学させた。安室さんは日本の音楽シーンをけん引するアーティストへ成長し、その後も数々のスターを生み出した。 　９０年代後半からＭＡＸ、ＳＰＥＥＤ、ＤＡ　ＰＵＭＰ、知念里奈らが続々デビューし、Ｊ－ＰＯＰシーンで活躍。他にも三浦大知、満島ひかり、ｍｉｓｏｎｏ、山田優、黒木メイサ、ＬｉＳＡと、同スクール出身者は数多く、タレント養成プロダクションとして、全国的な知名度を誇った。 　しかし２０００年代には共にスクールを運営していた娘の牧野アンナさんと絶縁状態になり、運営方針の変化などで生徒数も激減。一時は芸能界からも距離を置いたが、２２年に関係修復を果たしたアンナさんの発案で沖縄アクターズスクール「大復活祭」を開催。昨年には同スクールの新法人を設立し、新たなスタートを切ったばかりだった。最期まで新たなスターの輩出に全力を傾けたまま、天国へと旅立った。