「クリリンじゃないの…?」悟空も敗北…『ドラゴンボール』世界で「最強の地球人」とは
■ピッコロ大魔王が名前を聞くだけで怯える武道家
次は武泰斗の強さを知らしめたエピソードだ。それはピッコロ大魔王の反応からもよく分かる。ピッコロ大魔王は、ピラフ一味によって封印から解かれると、真っ先に部下に武道家を抹殺させた。それはそのまま、武泰斗の存在を恐れていたことの証明でもある。 当時ピッコロ大魔王の強さは圧倒的で、対抗できる存在などいなかった。しかしそんな中、武泰斗は「魔封波」という秘術を編み出し、ピッコロ大魔王を自身の命と引き換えに封印するのだった……。 だからこそ、ピッコロ大魔王は武泰斗のような人物が再び現れるのではという恐怖をずっと抱き、武道家の抹消に力を入れたのだろう。その名を聞いただけで震え上がり逃げ出すほどなので、彼にとってよほど武泰斗が怖い存在だということが分かる。 しかも魔封波の凄いところは、あれほどの力を持つピッコロ大魔王が何もできないというところである。それほど高度な術を開発するのは、技のデパートと呼ばれるクリリンでも不可能だろう。
■ピッコロ大魔王を倒した悟空ですら歯が立たない?
悟空と武泰斗のどちらが強いのか? というところも見ていこう。超神水を飲んだ悟空が若返ったピッコロ大魔王に勝利した時、彼はまぎれもなく地球上で最強だった。もちろん、神様を除いての話だが……。 そんな悟空は、アニメのオリジナルエピソードで武泰斗と手合わせをすることになる。そのシーンは、アニメ『ドラゴンボール』の129話「時をかける悟空」で、悟空がタイムスリップをしたのがきっかけだ。 視聴者はピッコロ大魔王に勝っている悟空なら、武泰斗に圧勝するだろうと誰もが思ったはずだ。しかし蓋を開けてみれば、悟空はまさかの敗北。まさに手も足も出ない状態だった……。 どうしてこんな結果になったのか考えてみると、あの時の悟空は不完全な強さだったと思われる。というのも、ピッコロ大魔王に勝利した時の原動力は明らかに怒りで、そのおかげもあって通常時以上のパワーを発揮したに違いない。武泰斗と対戦をした時には平常心だったうえに、武泰斗が悟空以上の動きを見せていた。神様との修行にもあったように、悟空は心が乱れやすく、力をうまく発揮しきれていないところがある。他にも実戦と試合というところでの違いもあるかもしれない。 しかし、いくらフルパワーを出せていなかったからといっても、武泰斗が悟空を軽くあしらったことは事実。この描写からも武泰斗の強さがひしひしと伝わってくる。 武泰斗は、『ドラゴンボール』の世界の礎を築いた人物といっても過言ではない。弟子の亀仙人を通じ、孫弟子の悟空という最強キャラを輩出しているからだ。 作中での描写からわかる限りの情報を集めてみても、パワーインフレが起こる前の地球人で最強なのが武泰斗であるのは間違いないだろう。
大山元