認知症の正しい理解を 宮城県が応援大使を委嘱 「認知症のイメージを替えたい」
khb東日本放送
認知症の正しい理解を広めてもらおうと、宮城県は認知症の人たちを応援大使に起用しました。
みやぎ認知症応援大使の委嘱式では、初の応援大使として宮城県の50代から70代のアルツハイマー型認知症の男性4人が村井知事から委嘱状を受け取りました。 応援大使は、認知症の啓発活動に参加したり企業で講演をしたりして、認知症を地域で支え見守っていこうと発信していくことにしています。 応援大使遠藤実さん「私たちの周りには、愛が本当にたくさんあふれています。私はこの事を大使として多くの人たちに伝え、勇気づけていきたいと思っているところです」 自身も認知症サポーターを務める村井知事は、4人の大使を激励しました。 村井知事「皆さんが日常でされていること、経験されたことを応援大使として発信していただくことで、認知症を患った方、ご家族の方に勇気と希望を与えることにつながるだろうと思っています」 応援大使の任期は、2027年12月までの3年間です。 応援大使に委嘱された安積信政さん(74)は、認知症の持つマイナスのイメージを変えたいと願い大使を引き受けました。 安積信政さん「悲壮感が漂う認知症のイメージを転換し、認知症の正しい理解を広めたい。同時に前を見て暮らしている姿を発信していきたい」 安積さんは、福祉施設の運営会社で働いていた1月にアルツハイマー型の認知症と診断されました。 安積さんは50代になる前から顧客の名前や仕事の用件を忘れることが多く、認知症のような症状があったと自覚しています。 安積さんの認知症はなだらかに進んでいるということですが、常に予定をメモに記しながら日常を過ごしています。 安積信政さん「不安ですよ、自分で。やっても抜けていないかとか。同じことを2回も3回もやる状況になってきたんで、1年経ったら認知症が進んできたなということが自覚症状かな」 現在は病気の妻の介護をしながら、認知症の人やその家族と交流する団体の活動も続けています。 安積信政さん「私から見たら、認知症は普通の方と何ら変わりないですよと。ただ、一部分で記憶に欠損が起きるぐらいで。そんなに変わった人たちではない」 委嘱式には、1週間ほど前からあいさつの文案を練って臨みました。 安積信政さん「年齢的に社会との接点の最後の部分かなと思っているし、今までの経験を何かの形で生かしておきたい。格好いいね、こういう言葉使うと(笑)」
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