大阪府内の特殊詐欺、昨年の件数は過去最悪 手口の変化も 府警「非対面信用しないで」
昨年1~12月に大阪府内で府警が認知した特殊詐欺の件数は過去最悪を更新した。その一方で、詐欺グループは交流サイト(SNS)を利用した投資詐欺やロマンス詐欺などに手口を切り替えているとみられ、今年に入って被害が急拡大。府警は「SNS型詐欺は時間をかけて信頼関係を築く手口が特徴。特殊詐欺とともに、対面していない人は信用せず周囲にも相談してほしい」と呼びかけている。 【イラストでみる】「自分は大丈夫」は危険 変化する詐欺の手口 「あなたの口座が犯罪に利用されている」。電話口で警察官らをかたって高齢者の不安をあおったり、「還付金がある」などと噓を言ったりして金をだまし取るのが特殊詐欺の定番の手口だ。 府警によると、昨年の特殊詐欺の認知件数は前年より28%増の2649件。被害額は13%増の約36億円に上った。今年1~3月には約500件を認知。前年同時期と比較して約30%減少したが、被害額は1%増の9億4千万円と、1件あたりが高額となった。府警は今年度から特殊詐欺連合捜査室を設置。グループの摘発に注力する。 ■SNS型今年に入り被害急拡大 一方で、従来の特殊詐欺から手口やターゲットに変化がみられる。SNSを悪用し、投資を促したり恋愛感情を抱かせたりすることで金を詐取する被害が、昨年ごろから全国的に増加している。 投資詐欺では、著名な実業家の写真とともに「投資を教えます」などとうたう偽広告をインターネット上に掲載し、巧妙にSNSへ誘導するケースも。主に投資に興味を持つ中高年が高額被害にあっている。 府警によると、こうしたSNS型の投資・ロマンス詐欺は昨年、府内で約420件を認知。被害額は特殊詐欺を超えて約49億円に上った。今年1~3月はすでに約190件を認知。被害額は同時期の特殊詐欺被害額の倍以上にあたる約19億4500万円となった。 LINE(ライン)を悪用した投資詐欺も横行しており、府警は「知らない人物からのトークやグループ招待が届かない設定にして」と注意を促している。(藤木祥平) ■サポーター制度で市民守れ