FRB、利下げを「慎重に」進めるべき=ダラス連銀総裁
[13日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のローガン総裁は13日、インフレを不用意に再燃させないよう、連邦準備理事会(FRB)は追加利下げを「慎重に」進めるべきという見解を示した。 ローガン総裁は講演で、FRBはインフレを40年ぶりの高水準から引き下げる取り組みで「大きな進展」を遂げたが、「この道筋を完了させるために、おそらくさらなる利下げが必要となる公算が大きい」と述べた。同時に「どの程度の利下げが必要か、またどの程度のペースで利下げを実施する必要があるかを確実に把握することは難しい」という認識を示した。 一連の利下げを受け、現在4.50─4.75%のレンジにある政策金利については、見込まれる中立金利のレンジの「ちょうど上限にある」と指摘。「中立水準を超えて過度に利下げを実施すれば、インフレが再加速し、連邦公開市場委員会(FOMC)は方針転換を余儀なくされる可能性がある」とし、「不確実な状況の中、慎重に進めることが最善だ」と述べた。 12月のFOMCで利下げを実施する妥当性については直接言及しなかったものの、遅いよりは早い段階での利下げペース減速を選好していることを示唆している。 ローガン総裁はまた、大統領選後の企業投資や個人消費の急拡大の可能性などに伴うインフレ上振れリスクを指摘。失業率は4.1%と、労働市場は減速しているものの、大幅に悪化しているわけではないとも述べた。 最近の国債利回りの上昇については、FRBが意図した以上に経済を減速させ、雇用に下振れリスクをもたらす可能性があるとしつつも、中立金利が近年上昇している可能性が高いため、FRBの政策がさほど経済にブレーキをかけていない可能性もあるとした。 そのため「先入観を持たず、経済データや金融状況を精査し、企業や地域の情報筋の指摘に注意を傾け、次の金融政策のステップに何が適切かを判断する」と述べた。