女子高校生レーサーのJujuが欧州のジュニアフォーミュラカーで年間チャンプに 昨季は日本の登竜門フォーミュラでも女性選手がタイトル獲得
女子高校生レーサーのJujuこと野田樹潤(17)が11月4、5日にイタリア・ミサノで開催されたジュニアフォーミュラカーシリーズ「ジノックスF2000トロフィー」で優勝&2位となり、シリーズチャンピオンを獲得した。このシリーズは旧イタリアF3をルーツとしており、旧シリーズを含めて女性がシリーズ王者となるのは初めての快挙だ。 【画像】チャンピオンを獲得したJuju 「チャンピオンという事の実感はまだありませんが、一区切りできたと思います」と話した。今季は欧州でユーロ・フォーミュラ・オープンとドレクスラー・フォーミュラ・カップにも参戦し、3シリーズで計10勝をマークした。 元F1ドライバーの野田英樹氏を父に持ち、幼少期からレーシングカートに参戦するなど英才教育を受けてきた。昨季は女性限定の国際フォーミュラカー選手権「Wシリーズ」に参戦したが、チーム体制の不備で成績を残せず、シーズン途中で継続参戦を断念。今季は欧州で開催されている旧F3規定のシリーズで出直しを図った。 男女混走のフォーミュラカーシリーズでは昨季も女性チャンピオンが誕生した。しかも日本のシリーズで。旧F3規定のFIA(国際自動車連盟)公認シリーズ「フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ」で小山美姫(みき)が17戦中7勝でチャンピオンに輝いた。 FIAではF1を頂点にFIA-F2、FIA-F3と続くピラミッド構造となっており、Jujuが参戦していたカテゴリーはその下にあたる。頂点まではいばらの道は続いている。 女性ドライバーとしてはF2にタチアナ・カルデロン(コロンビア)が2021、22年と参戦したが、シングルフィニッシュは1度もない。Wシリーズで22年までに3連覇したジェイミー・チャドウィック(英国)もF2に進むことができず、今季は米インディカーシリーズ傘下のインディ・NXT(旧インディライツ)を戦った。 F1にエントリーした女性選手は70年以上の歴史のある選手権でわずか6人しかいない。最後のドライバーは1992年にブラバムからエントリーしたジョバンナ・アマティ(イタリア)だが、3レースとも予選落ちで決勝を走ることができなかった。 今後はパワーの大きなビッグフォーミュラに挑むことになりそうだが、ドライビングスキル以外にG(重力)に耐えられる体力、筋力も大事になってくる。Jujuにとってはこれからが勝負だ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]