福島県のふたば未来、2大会連続の男女日本一 全国中学バドミントン大会
第54回全国中学校バドミントン大会第2日は22日、福井県の勝山市体育館ジオアリーナで男女の団体戦を行い、福島県のふたば未来が2大会連続8度目の男女同時優勝を果たした。男子は3連覇で10度目、女子は2連覇で11度目の日本一となった。 男女とも決勝は埼玉栄との争いになった。男子はダブルスの宮原圭純・石川隼組が0―2で敗れたが、その後、シングルスの芦田潤平、ダブルスの寺島拓夢・藤森海斗組がそれぞれ2―1で競り勝った。女子はシングルスの佐藤心彩とダブルスの上野優寿・伴野碧唯組が2―0で勝利。2戦先勝したため芳賀凜歩・長谷川美羽(いずれも3年)組の試合は打ち切りとなった。 ふたば未来の優勝通算記録には富岡一中時代に加え、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で練習拠点を移していた猪苗代中時代を含む。 ■粘って劣勢覆した男子、強敵相手に盤石の女子 男女の団体戦を制したふたば未来は連覇の懸かる重圧をはねのけ、栄冠をつかみ取った。男女とも強豪・埼玉栄との決勝では女子は終始、ライバルをリード。男子選手は粘りのプレーで劣勢を覆し、昨年に続く同時優勝をつかんだ。
決勝は男女ともシングルス1試合とダブルス2試合を戦う。計6試合が同時進行する中、「力があり、たくましい」(斎藤亘監督)という女子は盤石の試合運びを見せた。この日、3回戦から4試合目となるシングルスの佐藤心彩は疲れも見せずにストレート勝ちを収めると、ダブルスの上野優寿・伴野碧唯組と芳賀凜歩・長谷川美羽組も1ゲームも失わずに完勝した。 一方、男子は苦しんだ。初戦の2回戦から準決勝まで3戦無敗の宮原圭純・石川隼組がストレート負け。隣のコートで戦っていたシングルスの芦田潤平、寺島拓夢・藤森海斗組も第1ゲームを落とした。主将の芦田は「決勝の緊張感、相手の気勢に押された」と序盤の劣勢を振り返る。 潮目が変わったのはゲーム間の休憩時間だ。「向こうに勢いはあるが、長くは続かない。焦らず落ち着いて戦おう」。斎藤監督の助言を胸に選手はコートに戻った。潮目が変わり始め、寺島・藤森組が2―1で逆転勝ちを収めた。
団体戦の行方を託された芦田も試合が進むにつれて相手のミスが増えると、気持ちに余裕が生まれて相手の動きが見え始めた。先に優勝を決めた女子からの声援も励みに、第3ゲームを取った。優勝が決まると両拳を高く上げ、感情を爆発させだ。 斎藤監督は今年のチームのテーマ「がっつけ ふたば!!」を引き合いに、「大一番で『がっついた』姿勢をみせてくれた」と選手をねぎらった。芦田は「男女そろって団体優勝できてほっとした。残りの試合も頑張りたい」と23日から本格化する個人戦に照準を合わせた。