「大雨特別警報」の鹿児島県与論町、浸水や土砂崩れ相次ぐ…住民ら不安な一夜「こんな大雨は初めて」
鹿児島県奄美地方や沖縄県北部が、季節外れの豪雨に見舞われた。11月では初となる「大雨特別警報」が発表された鹿児島県与論町では住民らが不安な一夜を過ごし、浸水被害や土砂崩れも相次いだ。 【写真】浸水被害を受けて商品が散乱したスーパー
9日未明、1時間に120ミリの雨が降ったとして記録的短時間大雨情報が出され、大雨特別警報も発表された与論町。9日午前11時現在、道路32か所が冠水し、2か所の避難所には一時、4人が避難した。地元消防によると、90歳代の女性が避難時に体調不良を訴えて病院に搬送されたという。
民宿を営む住民(72)は、親戚や友人から「牛舎やサトウキビ畑が泥水につかった」などという連絡を次々に受けた。「島で生まれ育ったが、こんな大雨は初めて。島全体が大変な状況になっていて心配」と不安そうに話した。
街中の商店街では浸水被害が起きた。スーパーの経営者(69)が9日朝、店に駆けつけると、膝上の高さまで水につかった痕跡を見つけた。陳列棚の商品は散乱し、冷凍・冷蔵ケースやレジも壊れていたという。片づけに追われる経営者は「1週間ぐらいは閉店を余儀なくされるだろう」と肩を落とした。
町は土曜授業を予定していた小学校3校と中学校1校をいずれも休校とした。鹿児島県は9日午前、県庁で災害対策本部会議を開いた。塩田康一知事は「命を守る最善の行動をとってほしい」などとコメントした。