『アンメット』が描く“儚くも美しい時間” 生田絵梨花演じる麻衣が今後の鍵を握る?
生田絵梨花演じる麻衣が今後の鍵を握る人物に?
ミヤビのこの考えは、脳外科医としての働き方にも生かされているように思う。脳の病気というのは、治療をしたとしても後遺症が残ることが多い。これまでミヤビは、運び込まれてきた患者の命を救い、その後ろにできた影(=後遺症)に寄り添う努力をしてきた。影を照らすのではなく、そっと寄り添う。とくに、第2話で泥まみれになりながら患者とサッカーをしていたシーンなんかは、その生き様が如実に反映されていたような気がする。 また、恋愛面でも成就する人がいれば、満たされない想いを感じる人が出てくる。とくに、綾野を奪われたくなくて、ミヤビが記憶を取り戻すのを阻止しようとしている麻衣は、今後の鍵を握る人物になってくるだろう。合理的な選択を取ってきた綾野が、ミヤビへの“情”を優先させるようになっていることを悟ってしまった麻衣は、何をしでかすか分からない。 ミヤビが記憶障害にならざるを得なかった理由に、情のもつれ、さらには、三瓶の本当の気持ちまで、まだまだ謎が残されている『アンメット』。後半戦も、儚くも美しい時間を心の奥底に刻みつけたいと思う。
菜本かな