センバツ2022 準々決勝 近江、県勢初の4強 秋の悔しさ、実を結ぶ /滋賀
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第9日の28日、近江は金光大阪(大阪)との準々決勝に臨んだ。昨年の秋季近畿大会で敗れた相手を6―1で降し、センバツで県勢初の4強に進出。補欠校からの出場チームとしても最高成績を更新する快挙となった。準決勝の相手は浦和学院(埼玉)で30日午前11時開始予定。【菅健吾、中田博維】 昨秋の近畿大会準々決勝では金光大阪に一時6点差をつけたが逆転負け。ナインはリベンジを誓い、グラウンドに向かった。今春近江を卒業したOBの塚脇楓太さん(18)は「僕らの代も神戸国際大付(兵庫)に秋の近畿大会で負けたが、翌年夏の甲子園では苦しい展開ながらも勝てた。我慢強く戦ってほしい」と話した。 初回の山田は相手を三者凡退に抑える上々の立ち上がり。その裏の攻撃で津田が安打で出塁し、二盗。山田の内野安打が相手エラーを誘い、本塁に滑り込んだ。津田の母史(あや)さん(49)は「1番バッターの仕事をしてくれた」と喜んだ。 四回に同点に追いつかれたが、直後の先頭打者、岡崎が出塁。西川の犠打、川元の中前安打で好機を広げ、敵失をついて勝ち越しの1点を挙げた。近江の元コーチ、中澤誠さん(47)は「堂々とした戦いぶり。このまま粘り強く戦ってほしい」と話した。 山田は七回表1死二、三塁のピンチを迎えたが、スクイズを空振りさせ、三走をアウトに。無失点で切り抜けた。その裏、中前安打で出塁した津田が、続く横田の打球が誘った敵失の隙(すき)をつき、一気に本塁に突入。間髪を入れず中瀬が初球スクイズを決めた。中瀬の父勝美さん(44)は「小さい頃から磨いてきたバントで気持ちを見せてくれた」と話した。 八回は清谷の適時三塁打、津田の適時二塁打で突き放した。清谷の父福蔵さん(49)は「集中してよく打ってくれた」と喜んだ。九回の相手の攻撃を三者凡退に抑え、山田が10奪三振で完投。県勢初の4強入りの校歌を甲子園に響かせた。 山田は「秋の敗戦を原点に冬の3カ月を過ごした。自分たちがやってきたことは間違いではなかったと思えた」と話した。