ニートを支援「理想のハローワーク」、大阪のNPOが5月12日開設
働きたくても仕事に就けない若者のために、大阪市のNPO法人が12日、同市西区に就職紹介施設「ハローライフ」を開設する。若者向けの求人情報を提供して相談に応じるほか、コミュニケーション講座を開くなど、「理想のハローワーク」を目指して就職支援体制を整える。 「ハローライフ」は2012年9月からウェブサイトで求人情報を公開しているが、実際の建物でサービスを提供するのは初めて。4階建てのビルを借り、1階はカフェ、2階は就労支援窓口、3階はイベントスペースなどに使う。キャリアカウンセラーや精神保健福祉士など専門家が支援する。社会復帰のためのメンタルケアも行う予定だ。
運営にあたるNPO法人スマイルスタイルの塩山諒(しおやま・りょう)代表(28)によると、支援のきっかけは11年11月に大阪府が開いた「大阪ニート100人会議」。ニートとは「仕事につかず、就学もしておらず、就労のための訓練も受けていない人」の総称。会議では、民間の人材派遣会社では職業経験やスキルがないため相手にしてもらえない、ハローワーク(公共職業安定所)を訪ねてもなかなか仕事を見つけられないなど、若者たちの悩みを多く聞いた。 大阪府は全国で最も生活保護者の多い都道府県で、生活保護者の予備軍ともいえるニートや引きこもりの若者が推計約5万5千人いるという。 塩山さんは、ニートの若者が自信を持てる就労の仕組みや、引きこもり状態から脱出するマニュアルを府に提案した。しかし、ハローワークは国の管轄下なので状況を変えることは難しい。自分たちで「理想のハローワーク」を作ることにした。「持続可能な仕組みを作り、全国ハローワークのモデルになる存在を目指したい」と話している。 ハローライフの所在地は大阪市西区靱本町1-16-14。電話番号は06-6147-3285。 (取材協力:READYFOR?)