【訂正】『学マス』へのリスペクトが詰め込まれた田淵智也作詞曲「Campus mode!!」 “新しさ”と“王道”の見事な融合
「Campus mode!!」、隙がないパート割りの巧みさ
こうして生まれた楽曲の魅力を、パート割りの巧みさがさらに増幅させていく。リリックビデオのショートサイズにてパート割りが明かされている部分だけでも、プロデューサーなら語りたくなるポイントは枚挙に暇がない。例えば1番Aメロの〈壁は昇るか?〉(月村手毬)、〈穴を空けるか?〉(花海咲季)、〈抜け道を探すか?〉(藤田ことね)でいわゆる“信号機”トリオの個性を明確に提示したかと思えば、直後に〈どれもいいねgood!〉と姫崎莉波が受け止めていたり、サビ終盤の〈「できる!」って叫ぼう〉(葛城リーリヤ)、〈「できる!」って笑おう〉(紫雲清香)、〈「できる!」って走りだそう〉(有村麻央)といった田淵ならではの歌詞の展開も、固有シナリオを読んでいれば「そう!」と膝を打つこと間違いなしの割り振り方をしていたり……など、どこを取っても隙がないのだ。 加えてその中に登場する各アイドルのイメージカラーを反映した矢印は、アニメ『アイドルマスター』の1stオープニングテーマ「READY!!」を想起させるもの。そういった“王道”の系譜を感じられるうえに、3年生組である莉波と麻央の矢印がやや先行気味だったりと、その伸び具合に解釈のしがいがあるのも興味深いポイントだ。 他にもアイドル固有のシナリオとは別のストーリー「初星コミュ」をYouTubeにて公開したりと、「アイマス」というIPを広げるための挑戦を果敢に続けていく『学マス』。だからこそ、新たなプロデューサーたちと今までの「アイマス」との架け橋的な楽曲「Campus mode!!」は、確実に重要さを増し続けていくはずだ。 ※記事初出時、本文に誤りがありました。以下訂正の上、お詫び申し上げます。(2024年6月17日11:20、リアルサウンド編集部) 誤:紫雲清香 正:紫雲清夏 誤:〈「できる!」って走りだそう〉(有村麻央) 正:〈「できる!」って走りだそう〉(倉本千奈)
須永兼次