反原発デモの市民ら幹線道路を占拠、警察が放水で強制排除/台湾
立法院の占拠騒動後、台湾で市民らによる「第4原発建設」の中止を求めるデモ活動が活発化している。26、27日の両日には大規模な抗議デモが行われ、台北市の中心部にあたる台北駅近くの道路を数万人の市民が占拠し、28日には警察が放水車などで強制排除を行った。建設中の第4原発の廃止を要求するため無期限ハンストに突入した野党元党首らの行動に呼応する形で、市民らによる反原発運動が激化している。
■反原発デモ参加者らが幹線道路を占拠 台湾の最大野党・民進党の元党首、林義雄氏(72)が、4月22日から開始した無期限のハンガー・ストライキ行動を受けて、26、27日の週末に反原発団体主催の数万人規模のデモが行われた。 4月26日、朝のランニングで幕を開けた総統府前の反原発デモは、午後4時半に複数の反原発団体による座り込みが始まったとたん、突然の豪雨に見舞われた。それにもめげず、参加者は徐々に増え続け、約1時間後には参加者数が3万人超に。このデモで、反原発団体のメンバーらは「第4原子力発電所の廃止」などの要求に政府が応じない場合は、27日により激しい抗議手段のデモを実施すると宣言した。
しかし、政府からの反応がなかったため、予告通り27日午後3時半より、総統府前に集まった約5万人の市民がデモを開始。デモ隊は当初、台北駅前の大通り「忠孝西路」を一般車両に配慮して通り過ぎる予定だったが、「公投護台灣聯盟(住民投票で台湾を守る連盟)」の総発起人・蔡丁貴(さい・ちょうき)氏が支持者を連れて、警察のバリケードを破って道路の反対車線を占領したため、市民らは駅前の幹線道路8車線分を占拠し、交通を停止させた。 ■座り込みを続ける市民らを放水車で強制排除 同日夜になっても、まだ3千人を超える市民が道路で座り込みを続けたため、台北市長のかく(赤におおざと)氏は2度の会見を開き、「通勤時間帯の交通に影響が出ないよう、市民らを徹底的に排除する」と発表した。