「ジャパン・アズ・ナンバーワン」再来か、33年前との類似性
四季報オンライン
2023年の日本株式相場は好調に推移しており、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)は、1990年以来33年ぶりの高値を一時回復した。1990年といえば、日本経済は「平成バブル」に沸いていた時代。1989年の大納会でつけた3万8915円は今でも日経平均株価の史上最高値となっているが、今年の高値3万3772円から約5000円(15%)の上昇で達する。何かと比較されることが増えてきた「平成バブル」をはじめ、過去の日本の株高局面について、夏休みの機会に振り返っておこう。短期集中全3回の連載の3回目をお送りする。 2023年、日経平均株価とTOPIXはともに33年ぶりの高値を回復したが、昭和から平成に移った1989年12月に3万8915円の史上最高値をつけており、33年ぶりの株価水準よりさらに5000円も高い水準があったなんて想像がつかないという投資家が多いかもしれない。 当時を知る証券関係者も少なくなっている。実際はどのような相場だったのか。 平成バブル当時、筆者は証券会社に入社したてで、営業職に配属されて証券の営業についてようやくわかり始めた頃だった。日経平均株価はチャートを見るとわかるように、上向きの12カ月と24カ月移動平均線をサポートに上昇が続いており、買えば上がる相場状況だったことを記憶している。 背景にあったのは、企業の業績や成長への期待だった。ただ、企業業績は伸びていたものの、日経平均株価のEPS(1株当たり利益)は現在よりも低い水準で、史上最高値をつける時点ではPER60倍前後まで買われていた。 今では到底考えられないPERの高さだが、当時はこうしたPERの高さが正当化され、株価の上昇にも警戒感がなかったように思う。
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福永 博之