「金利のある世界」で「退職金」をムダにしないために…「受け取った直後」に絶対にしてはいけないこと
日本銀行がマイナス金利政策を解除したことで、17年ぶりに「金利のある世界」が訪れようとしている。住宅ローンをはじめ、さまざまな影響が出てくるであろう中、著書に『金利で損しない方法、教えてください!』がある、ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏は、「退職金のことも考えたほうがいい」とアドバイスする。金利上昇がもたらす退職金への影響を、ウエノ記者が聞く。 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ”
今のうちに知っておいたほうがいい
深野:金利のある世界では、退職金のことも考えたほうがいいですね。 ウエノ:金利上昇で退職金にも変化が起きるんですか? 深野:所属している会社がどの退職金制度を用いているかによりますが、「確定拠出年金(企業型DC)」や、「確定給付企業年金(DB)」で運用されている場合、注意が必要だと思います。 ウエノ:あ! 実は僕の会社でも退職金制度が「企業型DC」に変わったんです。これまでは会社が決めた運用方法だったのですが、「これからは自分で運用商品を決めてください」って言われ、積み立てる投資信託を選んだ記憶が……。 深野:であれば、今のうちに知っておいたほうがいいですね。 ウエノ:退職金受け取りまでまだ先は長いですが、ぜひ知りたいです。 深野:まずは制度のおさらいをしましょう。企業型DCは掛け金が個人ごとに明確に区分され、掛け金とその運用益の合計額をもとに将来の退職金給付額が決まる制度です。その個人版が「iDeCo(個人型確定拠出年金)」ですね。 ウエノ:iDeCoもやったほうがいいと思いつつ、まだできていません……。 深野:勤務先の会社が企業型DCで運用している場合、個人としてiDeCoも併用できますが、毎月の拠出金に制限がかかります。そこは事前に証券会社のHPなどで確認したほうがいいですね。 一方、企業型DBは会社側が「将来いくら支払う」という給付額を約束したうえで、資金を運用していく制度です。運用リスクは会社が負うことになるので、運用成績が悪かったとしても、退職時の給付額が変わらないのが特徴ですね。