【全日本大学駅伝】帝京大が8位で4大会ぶりシード権 山中博生主将「箱根駅伝8位では終わらない、さらに上を目指す」
中野孝行監督「負けは大きく飛躍するチャンス」
アンカーをたくされた小林は、年始の箱根駅伝で9区区間3位と結果を残していた。「箱根駅伝でうまくきっかけをつかんでいて、久しぶりの駅伝だったが、その感覚を思い出したらいい走りができた」。立教大の安藤圭佑(4年、豊川)とつば競り合いを繰り広げ、1つでも順位を上げようと粘った。最後に抜くことはできなかったが区間4位と健闘。5時間16分24秒の8位でゴールし、4大会ぶりにシード権を獲得した。 小林は「シード権は最低限の目標で、来年の後輩たちに残してあげられたのは一安心なんですけど、チーム目標の4位は達成できていない。また箱根駅伝に向けて修正していきたい」と先を見つめた。 中野監督は、「(チーム目標の4位を達成できず)学生は不完全燃焼だったかもしれないが、そんなに簡単じゃない。東国大(9位)も大東大(11位)も強い。その中に割って入ったのは評価できる」と選手たちをねぎらった。 山中、福田、小林ら4年生が主力だが、3年生の島田、尾崎、柴戸、2年生の楠岡、廣田といった来シーズンの中心メンバーが全日本で経験を積めたことは収穫だ。 一方、箱根に向けた課題もある。中野監督は「箱根予選会に出場したチーム(7位の立教大)に負けてしまったのは、うちにまだ力がないということ。負けたときは反省があるから大きく飛躍するチャンス。箱根に向けて学生を本気にさせて結果を求めていこうと思います」と力強く語った。
次の目標は箱根駅伝総合3位以内
昨シーズンは出場が決まっている駅伝の大会が「ゼロ」の状態からスタートし、全日本で12位、箱根は9位で2年ぶりにシード権を獲得した。 今シーズンは主将に就任した山中が5月の関東インカレ男子2部10000mで28分04秒54の帝京大記録をマークし、4位入賞。6月の全日本関東地区選考会ではその山中を3組に回し、エースだけに頼らないチーム戦で伊勢路への切符を手にした。今回の全日本でシード権を奪還し、「駅伝競走部」の名にふさわしい活躍ぶりを見せている。 大会後、応援にかけつけた関係者らを前に山中は高らかに宣言した。「出雲8位、全日本8位、箱根駅伝8位で終わるかというと、そうではない。さらに上を目指して頑張っていきたい」 “世界一諦めの悪いチーム”が次に狙うのは箱根駅伝の総合3位。チームの過去最高順位更新に向けて戦いは続いていく。
第56回全日本大学駅伝
11月3日@愛知・熱田神宮西門前~三重・伊勢神宮内宮宇治橋前の8区間106.8km 優勝 國學院大學 5時間09分56秒 2位 駒澤大学 5時間10分24秒 3位 青山学院大学 5時間10分41秒 4位 創価大学 5時間13分17秒 5位 早稲田大学 5時間14分24秒 6位 城西大学 5時間14分57秒 7位 立教大学 5時間16分21秒 8位 帝京大学 5時間16分24秒 ーーーーーーーーーー 9位 東京国際大学 5時間17分46秒 10位 日本体育大学 5時間17分52秒
浅野有美