新年度一般会計市予算、過去最大734億円 未来を見通したまちづくり継続【宇部】
宇部市は14日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は過去最大となる734億円で、前年度当初比4・9%増。来夏の利用開始に向けて本格化する市役所2期棟の建設事業費などが総額を押し上げた。成長産業の創出や子育て支援の充実、中心市街地の活性化など未来を見通したまちづくりへの流れを止めることがないよう取り組み、物価高騰への支援や防災強化など目の前の課題にも対応した。 21年度の715億2000万円を超えた。3年目を迎える第5次総合計画前期実行計画で掲げた▽暮らし安心・安全▽たくましい産業育成▽子ども未来応援▽まちのにぎわい創出-の四つのプロジェクトへの対応を柱に編成。人事院勧告などに伴う人件費の増加や、社会保障の充実に伴う扶助費の増加にも対応した。 重点プロジェクト関連では、高齢者おでかけ応援事業(399万円)、空き家対策推進事業(1293万円)、成長産業創出事業(2900万円)、高校生まで拡大する子ども医療費助成事業(4億861万円)、市役所建設事業(24億315万円)、恩田スポーツパークリニューアル事業(9億4500万円)などに取り組む。 将来負担につながる市債残高は658億9114万円(前年度比8億5334万円減)、不測の事態への対応などを目的とした財政調整基金は36億3431万円(前年度比11億9387万円減)を見込む。 経常収支比率の見込み値は95・0%(前年度比0・8㌽上昇)で増加傾向が続くとみられる。 前年度の事務事業の見直しの効果額は約3億2600万円。うちSWC(スマートウエルネスシティ)、くすのきカントリーマラソンなど23事業の廃止による効果額は、約1億3700万円となった。 篠﨑圭二市長は「市長就任後の総仕上げの予算と位置づけ、これまでの成果をさらに伸ばしていくとともに、物価高騰など目の前の課題にもしっかりと対応した」と述べた。 当初予算案は、20日に開会予定の市議会3月定例会に上程される。 【歳入】市税は定額減税の実施に伴う個人市民税の減額などで、3・2%減の240億5777万円。一方、定額減税による減収を補うため、地方特例交付金は398・7%増の7億6800万円となった。 繰入金は減債基金や公共施設等保全管理基金、庁舎建設基金の取り崩しなどで、76・1%増の53億2871万円。 市債は本庁舎建設事業債が増額するものの、ごみ処理施設整備事業債の皆減や臨時財政対策債の減額で、0・8%減の46億8940万円となった。 【歳出】総務費は、市役所建設事業費や退職手当、戸籍事務経費などの増額で、27・5%増の112億5514万円。民生費は児童手当扶助経費、自立支援給付経費、宇部井筒屋跡地での常盤通りにぎわい交流拠点利活用事業費、子ども医療扶助経費などの増額で、7・0%増の304億8400万円を見込む。 消防費は宇部西消防署整備事業費の増額などで13・5%増の24億9293万円、教育費は文化施設整備事業費などの増額で4・5%増の79億9565万円とした。 【主な新規・拡充事業】 ▽厚南エリアでの防災公園の整備や河川監視システムの設置など防災・減災力強化7179万円 ▽バリアフリー情報をまとめたマップの作成200万円 ▽市民ポイントの制度設計など「地域活動の日」推進事業750万円 ▽こどもセーフティーネット推進事業2080万円 ▽姉妹都市・豪州ニューカッスル市の大学への短期留学費用の助成600万円 ▽まちなかウオーカブル推進事業 2億7014万円 ▽まちじゅうエヴァンゲリオン 3500万円 ▽UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)のプロモーション 1028万7000円