前半、ＦＣ東京のエンリケトレビザン（左）と競り合う町田・望月（カメラ・佐々木　清勝）

◆明治安田Ｊ１リーグ▽第９節　ＦＣ東京１―２町田（２１日・味スタ） 　町田はＦＣ東京に２―１と競り勝ち、２試合ぶりの勝利で首位に返り咲いた。Ｊ１初先発の大卒ルーキーＤＦ望月ヘンリー海輝（２２）が決勝点をアシスト。前節神戸に敗れて、Ｃ大阪に明け渡した首位の座を奪い返した。Ｃ大阪は１―２で名古屋に敗れ、今季初黒星で２位に後退。名古屋は６試合負けなしとなった。 　規格外のスピードと長い足が、決勝アシストを生んだ。身長１９２センチのサイドバック（ＳＢ）望月は１―１の前半２５分、後方からのフィードを受けて右サイドを破り、ゴールラインぎりぎりで右足を伸ばしてダイレクトクロス。中のＦＷ呉がダイビングヘッドで、決勝点をたたき込んだ。Ｊ１初先発でプロ初アシストをマークした望月は「自分の得意な形で結果を残すことができて良かった」と振り返った。 　ＳＢを本職とする選手としてはＪ史上で最も高身長の選手になる。ＳＢは長友佑都（ＦＣ東京・１７０センチ）に代表されるように機動力に優れた小柄な選手が多かったが、近年は１８７センチのＤＦ冨安健洋がアーセナルで務めるなど大型化が進む。中でも、ナイジェリア人の父、日本人の母を持つ望月は際立つ。プロ初スタメンとなった１７日のルヴァン杯・北九州戦でアピールに成功。得点シーン以外にも、高さを生かしてセットプレーでチャンスを作るなど、堂々たるプレーを見せた。 　前節は昨季Ｊ１王者・神戸に敗れ、首位から陥落して３位まで後退した。黒田剛監督（５３）は「連敗すれば、一気に降格圏まで転がり落ちてもおかしくない」と危機感をあおり、試合に挑んだ。Ｕ―２３日本代表にＭＦ平河悠、ＦＷ藤尾翔太を送り出す中で連敗を阻止。新戦力の特徴も生かした町田が、首位の座に返り咲いた。（金川　誉） 　◆望月ヘンリー海輝（もちづき・へんりーひろき）２００１年９月２０日、栃木県出身。２２歳。ナイジェリア出身の父と日本人の母を持ち、大宮ジュニア、三菱養和ジュニアユース、ユースを経て国士舘大へ。今季町田に加入。目標とする選手は日本代表ＤＦ冨安健洋（アーセナル）。１９２センチ、８１キロ。右利き。