【NBA】ブルズ再建を担うのは21歳のジョシュ・ギディーと19歳のマタス・ブゼリス、個人技中心から『走るバスケ』への転換へ
ブゼリスには新たな得点パターンの構築に期待
2017年から4シーズン続けてプレーオフを逃していたブルズは、2021年のオフにデマー・デローザンを獲得し、ザック・ラビーンや二コラ・ブーチェビッチを中心に据えた新たなチームへと生まれ変わりました。新体制となった初年度で46勝36敗と好成績を残したことで成功を収めるかと思われましたが、そこから2シーズン続けてプレーイン・トーナメント敗退と期待された結果は出ませんでした。 今オフはデローザンがキングスへと移籍しただけでなく、ラビーンのトレードを模索し続けていると言われています。長引くケガで試合に出れていないロンゾ・ボールが契約最終年ということもあり、目の前の勝利を追い求めるのではなく、若手を育ててチーム力を高める再建期へと入りました。 新たなチームの中心として期待されるのがトレードで獲得したジョシュ・ギディーと、ドラフト11位で指名したマタス・ブゼリスの2人です。ビッグガードらしい視野の広さを持つギディーと、身長208cmで柔らかな身体の使い方ができ、パサーにもなれるスキルフルなブゼリスには、ブルズのカルチャーそのものを変革することが期待されます。 デローザンにラビーン、ブーチェビッチとエースクラスの選手が複数いる上に、突破力のあるコビー・ホワイトも擁していたため、ブルズのオフェンスは個人技でのアタックを中心に作られており、アシストとトランジションが少ないという弱点がありました。平均20得点を期待できるカルテットを抱えながらも、チームとしてはリーグ22位の平均112.3得点に留まっており、個人技の組み合わせでは限界が見えていました。 パサーでありディフェンスリバウンドからトランジションを生み出せるギディーと、インサイドからの展開力もあればカッティングなどの合わせのプレーもできるブゼリスは、個人技ではなくコンビプレーを活用した新たな得点パターンの構築に適した選手です。オフボールで足が止まりがちなブルズの問題を一気に解決してくれるかもしれません。 特にブゼリスはこれまでブルズに欠けていた躍動感のあるプレーをサマーリーグで見せました。ルーキーらしく線が細く、フィジカル面の課題もあって個人技では苦労するかもしれませんが、だからこそチームオフェンスの中で得点に絡むことが重要になってきます。ドラフトでは上位指名候補ながら各チームの事情に合わず指名順位が11位まで落ちましたが、その結果としてギディーとコンビを組むことになり、ブルズとしてはデリック・ローズ以来の新人王も期待したくなります。 若返りを図ったブルズのロスターは30代の選手が2人だけとなり、ハーフコートでじっくりと組み立てるよりも、アップテンポに仕掛けていくオフェンスがハマりそうです。チームとして変われるかどうかは、21歳のギディーと19歳のブゼリスの若いコンビが機能するかどうかにかかっています。