米大幅利下げ、11月再びあり得るか-FRB議長講演と雇用統計に注目
(ブルームバーグ): 今週はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が全米企業エコノミスト協会(NABE)の会議で講演するほか、9月の米雇用統計も発表される。米連邦準備制度の政策担当者らが11月に再び大幅利下げを決定する意欲があるかどうかより明確になると期待される。
パウエル議長の講演は9月30日に予定され、10月4日公表の雇用統計では、堅調だが減速傾向にある労働市場の状況が示される見通しだ。
ブルームバーグが調査したエコノミストの予想中央値によると、9月の非農業部門雇用者数は14万6000人の増加が見込まれる。これは8月とほぼ同じペースであり、3カ月平均では2019年半ば以降で最も低い伸びに近い。
失業率は4.2%、平均時給の前年同月比上昇率は3.8%といずれも8月から横ばいとなりそうだ。
10月4日の雇用統計は、11月6、7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)前に出てくる労働市場の指標としては、最近の労働争議の影響を受けない最後の数字になる可能性がある。米航空機メーカー、ボーイングの労組は9月半ばにスト入りし、大西洋岸とメキシコ湾岸の港湾労働者も10月1日からのストを予告している。
10月1日に発表される8月の求人件数は、21年初め以降の最低水準近くにとどまる見込みだ。労働需要の減速度合いを判断するため、エコノミストは離職率やレイオフの数字にも注目するだろう。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のチーフ米国エコノミスト、アナ・ウォン氏らは「9月の非農業部門雇用者数は、堅調なヘッドラインの数字を予想しており、米経済の『ノーランディング』という話題の復活さえあり得るだろう。しかし、労働統計局(BLS)の「出生・死亡」モデルに関連する誇張や一時的な季節要因の影響もあって、労働市場の強さがヘッドラインの数字で誇張されることになろう」と分析した。
原題:Powell Speech, Jobs Data to Help Clarify US Rate Path: Eco Week(抜粋)