散歩が“思考に良い”本当の理由...「知性を磨く」ちょっとした習慣
アイディアが次々に湧く人と、そうでない人にはどのような違いがあるのでしょうか? その答えは日常生活のちょっとした習慣に隠れているかもしれません。本稿では、お茶の水女子大学名誉教授の外山滋比古さんが、「知性を磨く習慣」を紹介します。 ※本稿は、外山滋比古著「こうやって、考える。」(PHP文庫)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
汗を流し、体で考える
日常生活の改造なくして知的生活はあり得ない。一日一日の生きかたにすべての根源がある。汗を流して、体で考える。観念としての知的生活には反省が必要である。 『大人の思想』より
レム睡眠を活かす
翌朝になってから日記をつける方がよい。一晩寝ているうちに、頭の中の整理ができる。レム睡眠という眠りがあって、頭はその間に働いて、それまで頭に入ってきた、もろもろの知識、情報、刺戟などがここで分別される。 保存すべきものと、そうでなく処分した方がよいものとに分け、大切でないものを忘れる。レム睡眠は一夜の中で何度もおこるから、整理はかなり入念に行われることになる。朝目覚めたとき頭がすっきりしている感じになっているのは自然である。 『「マイナス」のプラス』より
時間の特性を理解する
頭の仕事をする者にとって、朝は金の時間である。ただし食事をするとたちまち鉄の時間になる。昼食前は銀の時間。食後は鉛の時間になるが、夕方の腹のすいているときはまた銀の時間がやってくる。 夕食後は鉛の時間を通りこして、十時以後ともなれば石の時間である。夜型だなどと称してそんな時間になってから頭を使っていれば、石頭になっても不思議ではなかろう。 『ちょっとした勉強のコツ』より
「まどろみ」の中で考える
わたくしは、早く目をさましても床の中にいて、あれこれ空想するのを楽しみにしています。いろいろなことが頭の中を飛び交い、なかなかおもしろいものです。ときにはよいアイディアが浮んだりします。あとでメモしようなどと思ったら永久に消えます。 枕元にワラ半紙とマジックペンを置いていて、大まかなところを書き留めて心覚えとします。われながら妙案と思われるのが、二つも三つも飛び出してくることもあって、時間を忘れます。 『自分の頭で考える』より