【箱根駅伝】青山学院「下級生からも厳しい言葉があった」 チーム作りの意識改革で2年ぶり王座奪還へ
2024年1月2、3日に第100回大会を迎える箱根駅伝。青山学院大学は、2年ぶりの王座奪還へ、志貴勇斗主将(4年)を中心にチームの意識改革を実行しました。 【一覧】第100回箱根駅伝 青山学院大学チームエントリー16選手
■王座奪還へ 伝統を守りつつ取り組んだ新たな改革
青山学院大学の初出場は1943年の第22回大会。2004年に原晋監督が就任すると、2009年の第85回大会に33年ぶりの出場を果たします。その後、2015年に悲願の初優勝をつかむと、以降4連覇を含む6度の栄冠を手にし、黄金期をつくりあげました。 しかし、前回大会は3位に終わった青山学院大。さらにその前回大会では10区間中7区間を4年生が走っていました。優勝が常に求められる青山学院大にとって、4年生の抜けた穴をどう埋めるか。キャプテンの志貴勇斗選手がたどり着いたのはチームの意識改革でした。 原監督が「青山学院の特徴として4年生がきちっとやりきるという特徴がある」と語るように、もともと青山学院大は、毎年4年生が中心となってチームをつくってきました。
しかし2023年は、チームがこれまでとは違う意識を持つため、志貴主将を中心に、学生だけでのミーティングを実施。各々が何をするべきか考え、答えを出す選手主体のチームづくりに取り組み、志貴主将は「4年生だけではなく下級生からもチームに対する厳しい言葉があった。全員でチームをつくるという意識が芽生えてきたのかなと思います」と手応えを感じていました。 その姿を見た原監督も「7人が抜けた穴は冷静に考えればきついでしょう。そのなかで昨年3年生だったものが4年生になり、どうなるかなと心配していたのですが、志貴キャプテンとエースの佐藤一世(4年)を中心にチームがまとまっていますよね」と口にしました。
■意識改革がもたらした結果とその先へ
選手主体のチームづくりは下級生にも大きな影響を与えました。 1年生から箱根を経験している太田蒼生選手(3年)は「駅伝は大会新記録とかいろいろとあると思いますが、それよりも1位になることを僕は欲していて、目標にしている。トラックのタイムよりも勝負で勝つというところを意識しています」と個人の記録よりもチームの勝利を目指します。
また、黒田朝日選手(2年)も下級生ながら「去年は強かった4年生がチームをまとめて引っ張ってという形だったのに対して、"必ずしも上級生が"というよりは各学年の主力といわれるような選手がチームを引っ張っていかなければならないなというのは感じています」とチームの変化を実感している様子。 4年生中心という伝統を守りつつも下級生を含めチーム全員が主体となるチームへ。新たな意識改革が青山学院大の新時代をつくりあげるかもしれません。