神木隆之介×前原瑞樹、『らんまん』コンビの胸熱すぎる再会

　そんな前原の存在が一気に知られたのは、やはり朝ドラ『らんまん』（2023年度前期／NHK総合）だろう。彼は藤丸次郎という人物を演じたのだが、この藤丸は主人公の親友という役どころだった。本作の主人公とは、そう、神木隆之介だ。『海に眠るダイヤモンド』に前原が登場した際に“一部で話題になった”と冒頭で記したのはこのことである。『らんまん』を見守っていた人々にとっては、かなり胸熱な展開だったはずなのだ。 　とはいえ、前原が演じる虎次郎がここまで目立つキャラクターになるとは誰も想像していなかっただろう。まさか朝子の夫になるだなんて、超重要なキャラクターではないか。第6話でチラリと初登場を果たした“前原瑞樹＝虎次郎”は、まさかのダークホース的な存在だったのだ。ここにもまた、彼が作り手たちから愛されている事実が浮かび上がってくる。容易に演じられる役どころではないのだ。演じ手にも重責が課されるはずだから、よほど信頼できる者にでなければ任せられないだろう。 　最終回は2時間スペシャルだというが、果たしてどれくらいの出番が用意されているのだろうか。鉄平が端島を出たいま、朝子との関係も描かれるのだろうか。そこでの演技者・前原瑞樹のパフォーマンスによって、『海に眠るダイヤモンド』の印象は変わりそうな気がする。そしてそれはおそらく、ポジティブなものに違いない。 　最後に、『らんまん』や『海に眠るダイヤモンド』などで前原のことが気になった方は、ぜひ演劇シーンにおける彼にも注目してほしい。生のパフォーマンスに触れることで、なぜ彼が愛されるのかが肌で感じられるだろう。