全米メディアも大谷vs菊池の日本人対決の結末に騒然「二頭筋を見せた大谷」「壁にぶつかった菊池」
エンゼルスの大谷翔平(24)とマリナーズの菊池雄星(27)の花巻東OB対決がメジャーリーグで実現した。8日(日本時間9日)にアナハイムで行われた同カードで大谷が「3番・DH」で先発出場したため、マリナーズ先発の菊池と3打席対戦。二塁内野安打、一塁ゴロで迎えた4回の第3打席に、トミー・ラステラ、マイク・トラウトの連続本塁打に続き、初球のスライダーを捉えて逆方向に6号ソロ。先輩に一泡吹かせた。菊池は9安打7失点で4回途中に降板してチームも3-12で大敗、4敗目を喫した。全米メディアも、この日本人対決の衝撃結果に大注目。メジャー公式はトップ扱いで報道した。 同サイトは、2人が花巻東高の先輩、後輩であることを紹介。「5月30日にシアトルでのエンゼルス戦で菊池が登板したときは先発ラインアップに加わらなかった大谷は、初回にあった最初の対戦でまず内野安打で勝利した、2打席目は内野ゴロに倒れたが、3打席目の戦いはより大きな出来事になった。大谷は4回表にラステラ、トラウトに続き、3連続本塁打を仕上げた」と伝えた。 記事は初回の内野安打の場面を詳しく解説。 「菊池は94マイル(約151キロ)の速球から入り続いて93マイル(約150キロ)の速球を投げ込んだ。大谷はスライダーを二塁へひっかけたが、シェド・ロング(マリナーズ二塁手)がアウトにするのは、ほぼ不可能だった。なぜなら大谷は秒速29.3フィート(8.93メートル)で4.14秒のスピードで一塁へ走った(30.0であればエリートレベルとされる)。これは今シーズンのホームベースから一塁へ駆け抜けた安打で2番目の早さだった。ロングの送球が間に合わなかったのも無理はなかった」と、大谷のスピードを絶賛した。 それぞれの地元紙の報道も対照的だった。
「大谷がベースを回る間に菊池はいら立ち」
エンゼルスの地元、ロサンゼルス・タイムズ紙は「大谷とエンゼルスがマリナーズにパワーを見せつける」との見出しを取り報じた。 記事はエンゼルスの圧勝と、3連続本塁打が生まれた4回の場面に触れ、「面白かったのは(3本目の本塁打を放った後)二頭筋をちらりと見せた選手が昨年日本からやってきた1シーズン目に二刀流選手としてメジャーに衝撃を与えた大谷だったこと。そして大谷とフィールドを挟んで落胆していたのは、メジャーに最も新しく加わった日本人スター選手の菊池だった。(ベンチに戻った)彼はグラブをベンチの上にひっくり返し一人(チームメイトから)離れて座った」と描写した。 同記事は、「日本の岩手県、花巻東高校でプレーしたがチームメートではなかった大谷と菊池の対戦は日本の記者たちに何か月も期待されてきた。これは9日前にシアトルでほぼ実現するところだったが、ブラッド・オースマス監督は大谷に休みを与えることを選択した。2人の地元からやってきた日本の記者たちは、そのとき彼らの編集長に何も持ち帰ることができなかった」と、5月30日の菊池先発時には、この日本人対決が実現しなかったことを紹介。 その上で「ようやく対戦が実現した。菊池は94マイル(約151キロ)の速球を(第一打席の)初球に投げ込み、もう少しで大谷のあごを刈り取るところだった。2球後に大谷は2死から内野安打を奪い、この夜の3安打の1安打目を放った。彼はケバン・スミスの2点タイムリーでホームを踏んだ」と試合経過を説明した。 一方、マリナーズの地元紙であるシアトル・タイムズ紙は「エンゼルスの3連続本塁打が3-12で完敗したマリナーズの敗因」との見出しを取り「菊池は4回を投げ切ることができず、9安打と3四球、1三振で7失点(自責点6)を喫し今季成績を3勝4敗とした。彼は、最近3度の先発ですべて敗戦し、29安打、6四球を許し18失点(自責点15)。2奪三振で6本塁打を浴びている」と、菊池の不調ぶりを強調した。 記事は「何人かのルーキーはメジャーの1シーズン目に壁にぶつかる。壁の方から降りかかってくることもある。基準以下の登板を重ねたため、ルーキー左腕(の菊池)は精神的にも身体的にもリセットするように前回先発の後に9日の休みを与えられた。投球フォームを取り戻すために、この休みを利用することが望まれた。だが、彼は悪かったときと変わらない投球内容で苦しみ、打者を打ち取れず空振りを奪って圧倒するような場面を見せることができなかった」と、菊池に対して厳しい論調だった。 菊池と大谷の対戦については、「最初の打席の初球に菊池が大谷のあごの下に速球を投げ込んだ後、若い同郷の大谷は内野安打で一塁に到達し、それからマウンドに向けて、いたずらっぽく指を向けた」と描写。さらに「第2打席で内野ゴロに倒れた大谷は、4回に制球を誤った菊池のカーブを左中間深くフェンスの先へと運び、エンゼルスに3連続本塁打をもたらした。大谷がベースを回る間に菊池はいら立ちを見せ、4万人以上と発表された観衆は大歓声を上げた」と、本塁打シーンをレポートした。