テイラー・スウィフト公演効果で上振れか、シンガポールのGDP予想
(ブルームバーグ): エコノミストらはシンガポールの1-3月(第1四半期)経済成長率予想を上方修正しており、米人気歌手テイラー・スウィフトさんのツアー効果を一因に挙げる向きもいる。
ブルームバーグ調査の予想中央値では、1ー3月の国内総生産(GDP)は前年同期比2.9%増と、6四半期ぶりの高い伸びとなる見通し。2024年のGDP伸び率の予想も従来の2.3%から2.5%へと引き上げられており、政府の24年予測の1-3%の上限に近い水準。
スウィフトさんの「ジ・エラズ・ツアー」はシンガポールで3月9日まで計6公演行われる。これがシンガポールの宿泊、飲食、小売りといった業界に恩恵をもたらすとDBS銀行のエコノミスト、ハン・テン・チュア氏は言う。
チュア氏は「シンガポール公演に大勢の海外ファンが参加しており、外国人観光客による消費増加が主な支えになる」と指摘。スウィフトさんの公演は第1四半期のシンガポール経済を3億-4億シンガポールドル(約332億-443億円)程度、GDP伸び率で約0.2ポイント押し上げると予測した。
ただ、世界的な金融引き締めや中国のまだら模様の景気回復、長引く地政学的リスクを背景に、貿易依存度の高いシンガポール経済の見通しは依然として脆弱(ぜいじゃく)だ。キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、シバン・タンドン氏は、「世界経済の成長鈍化が輸出主導型のシンガポール経済の活動を抑制しているため年前半に再び低調になると予想される」と述べた。
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原題:Swift Tour Prompts Economists to Upgrade Singapore GDP Forecast(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Cynthia Li