【解説】“違法捜査”国と東京都に賠償命令、判決のポイントは? 大川原化工機が勝訴
小栗解説委員長 「これまでの裁判で当時、捜査にあたっていた捜査員の1人は『幹部の出世欲が動機にあったと思う』と証言。また、当時捜査の中心メンバーだった現職の警察官は、法廷で弁護士から『事件はでっち上げではないか』と聞かれて『ねつ造ですね』などと証言しています。ただ、今日の判決では事件そのものが『ねつ造』だったかについて言及はなかったんですが、判決を受けて大川原化工機の社長は次のように述べました」 大川原化工機 大川原正明社長(27日・東京地裁前) 「警視庁、検察庁にはしっかりと検証していただいて、できることなら謝罪をいただきたいと思っています。相嶋さんの墓前に早く報告したいと思っています」
■判決に対し警視庁・東京地検は…
小栗解説委員長 「一方、警視庁は判決に対し、『判決内容を精査した上で、今後の対応を検討してまいります』とコメント。そして東京地検は『国側の主張が一部認められず誠に遺憾。上級庁と協議し適切に対応したい』としています」 有働キャスター 「辻さんはどう思いますか?」 辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー) 「経営陣がある日いきなり逮捕・拘束されて、当時の社内やご家族は相当な混乱だったと思います。しかも時間が経っても、何か問題を起こした会社と、ある意味、事実とは異なる悪い印象が残ってしまったりします。こういったこと自体が風評被害だし、取り返しがつかないことだと思います。仮に警察一個人の出世欲で事実がこうしてねじ曲げられたとすると、ほかの事件は?と疑心暗鬼になってしまいますし、法治国家のあり方自体が揺らいでしまうレベルの出来事だと思います。許されることではないですし、怖いですよね」 有働キャスター 「何よりも、ありもしない罪を問われたまま、被告の立場で亡くなった相嶋さんの無念は晴れることがありません。27日の判決が出てもなお、警視庁や検察が墓前で謝罪できない理由は何なのでしょうか。刑事司法の信頼が揺らいでいるんです」 (12月27日放送『news zero』より)