サイバーパンク都市をパルクールで駆け抜ける刑事アクションADV『Keyword 2: Nightfall』が面白そう。アジアの香り匂い立つサイバーパンク感がたまらない
「九龍城」とか「サイバーパンク」といったワードに感じる謎めいた魅力。ちょっと非現実的な危うい雰囲気、それに心躍る人は少なくないだろう。 【この記事に関連するほかの画像を見る】 実際、ゲーム界でサイバーパンクというモチーフは人気ジャンルのひとつであり、さまざまなクリエイターがそれぞれのサイバーパンクを表現している。今回ご紹介する『Keyword 2: Nightfall』(以下、Keyword 2)も、そんな魅力をたっぷりと備えたタイトルのひとつだ。 物語の舞台は冒頭でも挙げた「九龍城」などをイメージとしたサイバーパンク都市で、プレイヤーは刑事となってある事件の真実を追求していく。特にこの都市のビジュアルが非常に良く、欧米のメーカーが手がけるサイバーパンクとはちょっと異なるアジア的な魅力を携えているのが印象的だった。 というわけで、本稿では中国・上海で行われた大規模インディーゲームイベント「WePlay Expo 2023」の試遊体験をもとに『Keyword 2』の“サイバーパンク”についてご紹介していく。なお、試遊は英語版、かつSteam Deckでのプレイとなったことはご了承いただきたい。 ■アジアの香り沸き立つ“サイバーパンク”な雰囲気が最高 『Keyword 2』の魅力は、なんといってもその“サイバーパンク”な空気に満ち満ちた世界の姿だ。パルクールで街中を駆け抜けていくアクションが見どころの本作だが、その町並みはやはりどこかアジア的。欧米のスタジオが手がけるサイバーパンク系の作品とは、一風異なる魅力を放っていた。 かの有名な香港の「九龍城」からも影響を受けたとされる街はオープンワールド形式で表現されており、汚れや落書きで彩られた壁、ゴミの散らばる廊下、乱雑にきらめくネオンサインなど、その雰囲気づくりはばっちり。今回の試遊では自由に歩き回ることこそできなかったが、街を歩いているだけでも楽しめそうに思える。 アクションの中心となるパルクールはしゃがみとジャンプ、そして壁のへりなどを“掴む”アクションによって構成されているが、超ハイスピードというイメージのものではない。今回のシチュエーションとしては逃げる犯人(?)を追いかけるもので、狭い建物の中でのチェイスの雰囲気はしっかりと味わえた。 現地で試遊に立ち会っていただいた開発スタッフによれば、開発は約10人程度の小規模チームで行っており、さらにそのメンバーの大半がインターンで構成されているとのこと。かなり作り込まれたオープンワールドのように見えただけに、この内情にも驚かされるものがあった。 試遊では街中のパルクールのほか、豪華なホテルのようなロケーションで手がかりを探す3Dアドベンチャーパートも体験できたのだが、こちらも背景の作り込みが非常に豪華。いかにもアジアの絵画といった意匠があしらわれていたり、建物の柱の装飾も「ザ・中国」という感じだったり、やはりアジアっぽい近未来を感じさせるカッコよさがある。 ■近未来を舞台にした本格ミステリ展開に期待 本作の設定は、刑事となって街の有力者の娘が殺されてしまった事件の真相を突き止めていく……というもの。今回は英語でのプレイということもあり、捜査パートはあまりスムーズに進められなかったが、アイテムを調べたり、チャットのログを漁ったりとSF風なシチュエーションを楽しめた。 エンディングは複数が用意されているらしく、そびえ立つ豪華な高層ビルから荒廃したスラム街まで、幅広いロケーションを舞台に多彩なアプローチで事件の真相に近づいていく。メインストーリーのほかにも、各キャラクターの独自のストーリーや多数のサイドクエストが待ち受けているそうだ。 ちなみに本作は『Keyword 2』と名付けられているように続編に位置するタイトルであり、前作『Keyword: 蜘蛛の糸』は2021年に発売されている。こちらは同じ近未来でもカナダを舞台にしていることから雰囲気は少し異なるが、記事執筆時点で200件のレビューを集め「非常に好評」となかなかの人気を得ている模様である。 今作『Keyword 2』では先ほど「九龍城」の例を挙げた通り、立体的なマップ構造に特に力を入れているらしく、探索面でのさらなるレベルアップがうかがえた。本格的なミステリー性と、独特の世界を探索するふたつの楽しみをどちらも味わえる作品となることに期待したい。 魅惑のサイバーパンクシティを濃密に描き出す『Keyword 2』、今回の試遊はごく一部の体験にとどまったが、それでも作り込まれたビジュアルにはパワーを感じた。『サイバーパンク2077』を代表に、ゲーム界隈でも人気なモチーフの“サイバーパンク”だが、本作のそれにはやはりアジア的な独特の魅力を感じる。 英語でのプレイということもあってストーリー部分は味わいきれなかったものの、前作の評判を見る限りは物語性にも期待できそうだ。記事執筆時点で発売日などはアナウンスされていないが、引き続き続報にも注目していきたい。
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