安倍晋三元首相の遺影の前に花を供える男性＝8日、下関市東大和町

　安倍晋三元首相の三回忌を迎えた8日、安倍氏が地元事務所として生前使い、安倍氏の選挙区を受け継いだ吉田真次衆院議員（山口4区）が現在使っている下関市東大和町の事務所には、安倍氏の遺影を飾った献花台が設けられ、県内外から安倍氏の長年の支援者や支持者だった人たちが訪れて静かに手を合わせた。 　同市彦島杉田町の自営業の男性（80）は「感謝の気持ちを伝えたかった。亡くなられてから下関に大きな穴があいたような気がしており、存在の大きさを感じている。もっともっと日本のために働いてほしかった。日本は今いろいろ問題があるが、安倍先生ならもっとうまくかじ取りをしてくれていただろう」と惜しんだ。 　自民系の元下関市議で同市横野町の自動車販売業の男性（76）は、第1次安倍内閣の退陣後に安倍氏の選挙活動を手伝った思い出を振り返り「あの時は完全に落ち込まれていたが、『地元が温かかったので気持ちを取り戻せた』と語っていた。あれでもう一度チャレンジする気になったのだと自信を持って言える」と述べ、「時代をつくった方が下関から出たことは誇り。もし彼（安倍氏）がいれば今の国会の混乱はなかったし、米国との関係も違ったものになったのではないか」と語った。 　遠方から献花に訪れた人も。自民党員で安倍氏を敬愛していたという神奈川県内の会社員（45）は「世界のルールに追従するだけでなく、日本らしさを発揮してこそ世界に貢献できるという安倍先生の立場に共感していた。安倍先生のように心から日本の政治を託せる人をなかなか見いだせずにいる。憲法改正ができたとしても、私たち保守が望むようなものにならないのではと危惧している」。 　福岡県福津市から夫と献花に来た主婦（69）は「病気や交通事故といった亡くなり方ではなかったので悔しい。大げさではなく、一日も忘れたことはない。安倍さんには功罪両方あるという人もいるが、『功』の方がずっと多かった。日本を守り、取り戻す政治家が少ない」と述べた。