トルコ・リラ、急反発-大統領が経済チームに時間与えると示唆
(ブルームバーグ): トルコ・リラは1日、対ドルで急反発。下げ局面から一転して上昇した。エルドアン大統領が経済チームに対し、結果を出すためにより多くの時間を与えることを示唆した。政権与党は前日の統一地方選挙で衝撃的な敗北を喫し、首都アンカラや最大都市イスタンブールを含む多くの都市で市政の主導権を野党が握った。
リラは一時、ドルに対して2%余り上昇した。イスタンブール時間午後3時45分現在は1.3%高の1ドル=31.9615リラと、同日の新興市場国通貨で他を大きく上回る上昇率となっている。多くの欧州市場はイースター(復活祭)の休暇のため薄商いとなっている。
トルコ大統領、地方選で敗北-イスタンブール市長選は野党が勝利宣言
テリマーのストラテジスト、ハスナイン・マリク氏(ドバイ在勤)は「エルドアン氏の地方選敗北は、(今のところ)マクロ政策を軌道から外れさせるものではない」とリポートで指摘。
経済的苦境、特にインフレが今回の結果に大きく影響しているのであれば、「インフレへの取り組みは今や、経済的優先課題であると同時に政治的優先課題でもあり、短期的にはオーソドックスな政策への軌道修正を支えることになる」との見方を示した。
投資家はインフレ抑制を目的としたよりオーソドックスな金融政策への転換を歓迎しているが、その一方で、金利が上昇しほとんどの国民にとって借り入れがほぼ不可能になることが経済成長見通しに打撃を与えている。
シムシェキ財務相は1日、同氏のチームは現行の経済プログラムを「断固として」続けると表明。X(旧ツイッター)で「インフレを永続的に1桁台に抑えるため、金融政策を引き締め、選別的な信用政策を講じる上に、公共支出を抑制する」などと述べた。
原題:Lira Surges as Erdogan Gives Turkey’s Economy Plan More Time (3)(抜粋)
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Tugce Ozsoy