J1アビスパ福岡の36歳FWウェリントンが初来日から11年連続ゴール! なぜ異国で活躍し続けられるのか、感動的なひとこと
◆明治安田J1・第3節 福岡1―1湘南(9日・ベスト電器スタジアム) 今季の本拠地初ゴールは助っ人ストライカーから生まれた。前半6分、福岡は右サイドから紺野が上げたクロスにウェリントンが左足を合わせてネットを揺らした。初来日からJリーグで11年連続ゴール。「待ち遠しかった得点。少し重しが取れた」。結果を出し続ける36歳が実感を込めた。 ■「肩が壊れてもいいや」城後のロングスロー【写真】 新加入の元スイス代表FWベンカリファがコンディション不良でベンチ外。開幕から3戦連続でスタメンを任された。「相手と(競り合いで)重なって難しかったけど、足を伸ばしたら当たってくれた」。得意のヘッドではない執念の得点で長谷部監督の期待に応えた。 2013年の初来日は、この試合で戦った湘南だった。15年に福岡に移籍し、J1昇格に貢献。18年からはスター選手ぞろいの神戸でもプレーした。再び湘南に戻るなどして昨季、6年ぶりに福岡に復帰。「長く日本でプレーできていることを非常に誇りに思います」 異国の地でプレーし続ける秘訣(ひけつ)を「エゴを捨てること」と明かす。「助っ人として来ると、自分が目立ちたいと思う。そういう選手を何人も見てきたけど、王様になるのではなく、チームの一員として自分の特長を最大限に出すこと」。言葉通りに、この日も攻撃の起点として体を張り、守備でも最前線で猛烈にプレスをかける献身的なプレーを見せた。 前半13分に失点し、決勝点にはならなかったが、「FWは得点を取ったら勢いに乗る」と量産を誓う。試合前には新加入のイラン代表FWザヘディがピッチであいさつ。「アビスパが昨年の活躍を見て、自分を残してくれた、そういう思いもあります」。ポジション争いが激しくなっても、チームに尽くす姿勢は変わらない。(向吉三郎)
西日本新聞社