男性の7人に1人、激痛襲う「尿路結石」一度かかると厄介な訳 体外に自然に出る結石の大きさは「5mm以下」
結石が自然に排出されるかどうかの1つの目安となるのが、大きさだ。石の大きさが5mm以下であれば、約7割は自然に排出されるといわれている。 「ただし、結石が3~4mm程度であっても、腎臓に尿がたまる『水腎(すいじん)症』を起こしていたり、痛みで仕事に行けないという状況であったりすれば、外科的な治療を検討したほうがいい」と荒川医師。 加えて、大きさだけで判断はできず、過去に何度か尿路結石を経験している人は、1cm近くの大きさでも自然に排出されることがあるため、その場合なら治療は不要だ。
近年は、画像検査の進歩により、人間ドックや健康診断で腎臓の結石が見つかるケースが出てきている。 前述したように、結石が腎臓にとどまっている場合は症状がない、あるいは痛みが軽いことが多いが、無症状だからといって放置してもいいわけではない。大きくなると尿の流れを妨げて結局、水腎症の原因になり、将来的に腎臓の機能を低下させる危険性がある。 ■石のサイズで変わる治療法 診断は、X線やCT(コンピュータ断層撮影)などの画像検査によって確定する。
治療は大きく分けて2つ。痛み止めで痛みを抑え、尿管を弛緩させる薬を使って石が自然に排出されるのを待つ方法と、外科的な治療によって結石を破砕(細かく砕くこと)し、体外に出す方法だ(詳しくは後述)。 薬によって結石を溶かす治療法もあるが、対象となるのは結石の成分が尿酸結石とシスチン結石だった場合のみ。結石の約8割を占めるのはシュウ酸カルシウムで、この場合、薬で溶かすことはできない。 外科的な治療は、「体の外から衝撃波を当てて、結石を砕く方法」と「体内に内視鏡を入れて砕く方法」がある。
前者は「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」といって、主に1cm未満の小さな結石が対象となる。1cmの結石の場合、うまく的が絞れて、結石が極端に固くなければ、自然に排石できる大きさに砕くことができる。 メリットは外来ででき、全身麻酔なしでの治療が可能なことだ。治療前に痛み止めの坐薬を使用する場合が多い。 ただ、ESWLは結石を砕くだけなので、結石は体内にとどまったままだ。そのため、何らかの方法で石を排出しなければならない。