スプリンターズSに出走予定のナムラクレア(c)netkeiba

　今週の日曜日は、中山競馬場でスプリンターズステークス(GI・芝1200m)が行われます。 【写真】ナムラクレアこれまでの軌跡 　13年以降に中山芝1200mで開催されたスプリンターズS(計10レース)を見ると、前走で4着以内に好走していた馬が9勝2着7回3着6回と良績を残しています。トップスプリンターが集うGIですから、前走で上位争いに加わり勢いを失っていない事が重要と言えるのかもしれません。 　前走で5着以下だった馬は1勝2着3回3着4回と8頭が馬券に絡んでいます。決してノーチャンスではありませんが、注意したいのはスプリンターズSでの枠順です。前走5着以下から馬券に絡んだ8頭は全てスプリンターズSで5枠以内に入っていた馬でした。 　中山芝1200mは外回りの2コーナーあたりが発走地点となっています。スタートしてからしばらくは外回りを走るため、コーナーも緩やかになります。しかし、内回りとの合流地点からのコーナーはきつくなっており、スピードも上がっているため外へ振られやすくなります。外目を通る可能性が高い外枠に入ってしまうと、勝負所で外へ振られるロスが生じやすく、結果として上位争いに加わるのは難しくなります。 　よって、前走で5着以下だった馬については、道中でロスが生じにくい内目の枠に入る事が好走するための最低条件と言えそうです。このあたりに注意しながら予想を組み立てるのが的中の鍵に握っているのではないでしょうか。 　ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。 【条件】 前走5着以下の牝馬(ただし、前走GIだった馬は除く) [0-0-0-17]複勝率0% 該当馬：ナムラクレア、ピューロマジック データは13年以降に中山芝1200mで開催されたスプリンターズS(計10レース)を対象にしています。 　上位人気が予想されるナムラクレアが該当しました。 　前走5着以下の馬について、枠順以外で着目したいのが性別です。前走がGII以下で5着以下に敗れた牝馬は全て馬券圏外となっています。今回は一線級が揃うGIですし、それよりも格下のレースで5着以下に敗れている牝馬が巻き返すのは難しいのでしょう。 　該当馬に挙げたナムラクレアの前走はGIIIのキーンランドCで5着。直線で他馬と接触しラチにぶつかる不利はあったものの、ゴール前では脚色が鈍り掲示板に載るのがやっとの走り。不利がなかったとしても上位争いに加われていたかどうかは断言しづらいレース内容だったように思えます。 　また、前走で他馬を接触した事による精神的なダメージが心配ですし、今回はこれまで長くコンビを組んでいた浜中俊騎手が騎乗停止で横山武史騎手に急遽乗り替わるのもプラス材料とは言えません。 　短距離のGI戦線で何度も上位争いに加わった本馬ではありますが、今回は過去の傾向や臨戦過程などから人気でも信頼はしづらい印象です。本馬を軽視し他の馬の評価を上げる事も頭に入れておく必要があるのではないでしょうか。 　重賞レースの参考に、是非お役立てください。