春日部の“シンボル”「クレヨンしんちゃん」の聖地 52年の歴史に幕…イトーヨーカドー相次ぐ閉店の背景は【Nスタ解説】
■総合スーパーのコンセプト「“ついで買い”が無くなってしまった」 ホラン千秋キャスター: 私も小中学生のときに遊びに行くといえばイトーヨーカドー一択というほど支えられましたので、閉店を惜しむ気持ちもすごく共感できます。地元で長く愛されていても、専門店が出てくる中で生き残るのは難しいのでしょうか。 ハロルド・ジョージ・メイさん: 何でも買える総合スーパーの一番のコンセプトは「ついで買い」です。つまり、毎日需要のある食品は利益性が低いので、利益性の高い衣類や日用品の「ついで買い」が重要でした。専門店の増加によって、その「ついで買い」が無くなってしまったということです。 全国のイトーヨーカドーの売り上げが、2005年は約3000億円でしたが、13年後には半減し、1500億円ほどになっています。セブン&アイ・ホールディングスも、もうイトーヨーカドーではなく専門店や、あるいはモールのようにもっと大きくするという逆のコンセプトの両方で戦略を練っているようですね。 井上貴博キャスター: 「クレヨンしんちゃん」が始まった1990年代は、駅前の大型スーパーの存在感が大きく、地域の文化の中心にいたようにも感じます。時代の移り変わりで厳しくなるのは理解できますが、そういうものは今の時代も必要だと思います。閉店後はどう変わっていくのでしょうか。 ハロルド・ジョージ・メイさん: 春日部店の跡地については、まだ決まっていないようですが何かができるはずですから、また新たな思い出・文化が生まれるのではないでしょうか。それを期待するしかありません。 過去は過去で、それはいいものだと受け止めながら次にいくことが大事なように思います。 ■跡地は何に?“津田沼店”は新たなランドマークに 山内あゆキャスター: 「跡地はどうなるのか」という点ですが、9月に閉店したイトーヨーカドー津田沼店は、イオン×京成電鉄の新たなランドマークとなる商業施設になるそうです。 新津田沼駅の北側にはイオンモールがありますが、さらに南側のイトーヨーカドー津田沼店の跡地には新しい商業施設ができ、映画館やイベントホールなどのまさに衣・食・住・遊の「遊」の部分に変わっていくということです。 ========== <プロフィール> ハロルド・ジョージ・メイさん プロ経営者 1963年オランダ生まれ 現パナソニック・アース製薬の社外取締役など
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