800m高校女王が田中希実に勝った!ニューヒロインのいとこはサッカー日本代表・久保建英
◆陸上 金栗記念選抜中長距離大会(13日、熊本市・えがお健康スタジアム) 女子800メートルは昨年8月の全国高校総体を制した久保凜(16)=東大阪大敬愛高2年=が、田中希実(24)=ニューバランス=を残り50メートルでかわし2分5秒35で優勝した。「うれしい。リズム良く200メートルを通過し、ラストも粘ってスパートをかけられた」と充実の表情だった。 執念のスパートが光った。憧れの田中と初の対戦。試合前の集中力に圧倒されたというが、積極的なレース展開で先頭を引っ張った。2周目でギアを上げた田中に一度は抜かれたが、最後の直線で抜き返し。「日頃感じられないことをたくさん学べた。5秒台でゴールできて良かった」と手応えを得た。 サッカー日本代表MF久保建英(22)=Rソシエダード=とはいとこ同士。小学時代は自身もサッカーをしていたが、中学1年から本格的に陸上に転向。高1でいきなり高校総体を制し、日・韓・中ジュニア交流競技会(8月・和歌山)で初めて日の丸を背負った。「いとこが日本代表を背負ってプレーしているところもすごく憧れていた」という16歳も一歩一歩、階段を上がっている。 現状に満足しないことも、ニューヒロインの強さだ。昨年の世界選手権は田中の5000メートル日本新と女子やり投げ金メダルの北口榛花(26)=JAL=が印象に残ったと言い「いつか自分も絶対に出たい」と力を込める。「今季はたくさんの試合に出て、自己ベスト更新や高校記録も狙う。ここで止まらずにもっと努力したい」と、世界を見つめて進化を続ける。(手島 莉子) ◆久保 凜(くぼ・りん)2008年1月20日、和歌山・串本町生まれ。16歳。小学1年から6年まではサッカー選手。潮岬中入学時から本格的に陸上を始めた。東大阪大敬愛高に進み、昨年8月は高1にして全国高校総体800メートル優勝。初の国際舞台となった同月の日・韓・中ジュニア交流競技会でも優勝。今年3月は高1歴代最高の2分5秒13をマーク。サッカーで国体出場経験のある父・建二郎さんは、久保建英の父の弟。
報知新聞社