『国立競技場』では、1993年Jリーグ開幕カードの再現となる“伝統の一戦”が行われる (C)J.LEAGUE

2月23日から2月25日にかけて開催されるJリーグの試合プレビューを一挙に紹介。J1リーグの10試合、J2リーグの10試合が各地で開催される。

2月23日

14:00 サンフレッチェ広島 vs 浦和レッズ（J1） 広島は今季から新スタジアムが開業。市中心部にできた臨場感あふれる“新たなホーム”で、チームは2015年以来のJ1優勝を狙う。注目は湘南から加入したFW大橋祐紀だ。昨季は自己最多の13得点。昨季の開幕戦ではハットトリックを記録しており、デビュー戦でサポーターの心をつかめるか。 浦和はペア・マティアス・ヘグモ新監督が就任。清水からFWチアゴ・サンタナ、セリエAの名門ローマからMFオラ・ソルバッケンが加わるなど、大型補強に成功した。昨季J1最少失点を記録した守備は計算が立つだけに、優勝のカギは得点力。注目の初陣で、生まれ変わったスタイルを印象づけたい。 18:00 名古屋グランパス vs 鹿島アントラーズ（J1） 名古屋は藤井陽也（コルトレイク）や中谷進之介（G大阪）といった守備の要が移籍。一方で、福岡からFW山岸祐也、京都からFWパトリックを獲得し、昨季の課題だった得点力不足を解消しうるタレントが加わった。新たなエンブレムを胸に戦う今季。開幕戦から攻撃的な姿勢を披露したい。 鹿島はランコ・ポポヴィッチ新監督を招聘。タイトルから長く遠ざかるなかで、かつてFC東京やC大阪を率いた指揮官に白羽の矢を立てた。キーマンは新加入のFWチャヴリッチ。指揮官が獲得を熱望したというアタッカーは、近年FW鈴木優磨への依存度が高かった攻撃に新たな色をもたらすはずだ。

2月24日

13:00 ジュビロ磐田 vs ヴィッセル神戸（J1） 磐田は昨季就任した横内昭展監督の下、1年でのJ1復帰を成就。補強禁止処分を受けた昨季を経て、4人の外国籍選手に、熊本から有望株のMF平川怜らを獲得した。なかでも、注目はGK川島永嗣。14年ぶりの国内復帰を果たした元日本代表守護神が、J1王者の前に立ちはだかる。 神戸は昨季、悲願のJ1初優勝を達成。MVPと得点王に輝いたFW大迫勇也ら主力が軒並み残留した上、MF井手口陽介やFW宮代大聖ら各ポジションに実力者を加えた。リーグ連覇とACL優勝に挑む新シーズン。ハードワークを基盤とした“横綱相撲”を見せ、白星スタートを狙う。 14:00 アビスパ福岡 vs 北海道コンサドーレ札幌（J1） 福岡は昨季、ルヴァンカップを制して初タイトルを獲得。リーグ戦でも過去最高の7位で終え、印象的な1年を過ごした。今オフには山岸祐也（名古屋）ら主力の流出があったものの、FW岩崎悠人ら注目の新戦力も加入。開幕から古巣戦を迎える岩崎にはデビュー戦での初得点に期待したい。 札幌はペトロヴィッチ監督が就任して7年目。攻撃的なスタイルはすっかりと定着したなかで、今季は久々の1ケタ順位を最低ラインの目標に掲げる。注目は2020年以来の復帰となったFW鈴木武蔵だ。ここ2年は計2得点に終わっているものの、慣れ親しんだ北の大地で再び得点量産を誓う。 14:00 サガン鳥栖 vs アルビレックス新潟（J1） 鳥栖は近年続いていた主力の流出を最低限にとどめると、東京VのJ1昇格に貢献したMF中原輝をはじめ、楽しみなタレントが加入した。一方、既存選手でカギを握るのはMF長沼洋一。昨季は自身初の2ケタ得点を記録してブレイクを果たしたなか、今季も攻撃面で違いを見せたい。 新潟はJ1復帰初年度を10位でフィニッシュ。結果もさることながら、ボールを保持するスタイルを貫き、完成度の高さを印象づけた。今オフには鳥栖からFW小野裕二を獲得。31歳を迎えた昨季にキャリアハイの9得点を記録したアタッカーは、早速実現した古巣対決でどんなプレーを見せるか。 14:00 水戸ホーリーホック vs いわきFC（J2） 水戸の昨季は夏場に10試合負けなしを記録したものの、終盤に失速し17位でフィニッシュ。2年目を迎える濱崎芳己監督の下、初の“J1昇格”を目標に掲げて臨む。GK山口瑠伊、MF武田英寿ら主力がチームを離れた一方、9名の新卒選手が加入。例年同様、新星の台頭に期待が高まる。 いわきはJ2初挑戦となった昨季、18位で残留を決めた。こちらも主力選手が多数移籍し、最終ラインは顔ぶれが大きく変わることも予想される。注目はC大阪から育成型期限付き移籍で加入したMF西川潤。パリ五輪世代のレフティーが新天地で大きな飛躍を遂げられるか注目だ。 14:00 横浜FC vs レノファ山口FC（J2） 昨季J1を戦った横浜FCは10戦未勝利と出遅れが響き、1年でJ2降格。ただ中盤戦以降は持ち直しただけに、堅守を武器に今季のJ2を引っ張る存在となりそうだ。昇格を果たした2022年は開幕4連勝で波に乗った。森海渡、櫻川ソロモンらアタッカーの加入も追い風にしてスタートダッシュの再現を狙う。 山口は昨季20位で辛くも残留。新指揮官にはJ2初挑戦となる志垣良監督を迎え、巻き返しを狙う。主力の多くが残ったなか、新加入組の注目は昨季の金沢で9ゴールを挙げたMF加藤潤也。リーグ最少タイの得点数に終わったチームを救う一撃に期待が懸かる。 14:00 藤枝MYFC vs V・ファーレン長崎（J2） 藤枝はJ2初挑戦となった昨季を12位でフィニッシュ。シーズン後半からは現実的な戦いで勝点を積み上げ、チームの進化をうかがわせた。今季も須藤大輔監督と追い求めるのは『超攻撃的エンターテイメントサッカー』。2022年に在籍したGK内山圭の“復帰”もその体現に一役買うはずだ。 長崎は昨季7位で昇格プレーオフにあと一歩届かず。今オフは前監督の二重契約問題に振り回された側面もあったが、新監督に就任した下平隆宏氏の下でJ1復帰を狙う。キーマンは昨季26ゴールで得点王に輝いたFWフアンマ・デルガド。今季も最前線でチームを力強くけん引したい。 15:00 FC町田ゼルビア vs ガンバ大阪（J1） 町田は昨季、圧倒的な強さでJ2を制し、初のJ1昇格。青森山田高校で長く指揮を執った黒田剛監督の下、高強度のスタイルが早くもチームに浸透した。今オフにはDF昌子源やFWナ・サンホらを獲得し、39名の大所帯で臨む夢の舞台。初年度からの上位進出も十分に期待できそうだ。 G大阪は昨季を7連敗で終えるなど、不本意なシーズンに。ただ、今オフにはDF中谷進之介やMF山田康太ら他クラブの主力を次々と獲得。ダニエル・ポヤトス監督2年目の今季こそ上位進出を果たせるか。対照的な特長をもつ相手に対し、開幕戦はボールを保持して主導権を握りたい。 15:00 湘南ベルマーレ vs 川崎フロンターレ（J1） 湘南は昨夏の町野修斗（キール）に続き、今オフには大橋祐紀（広島）が新天地へ。ただ、福岡からFWルキアン、磐田からは昨季のJ2アシスト王・MF鈴木雄斗を獲得した。昨季同様にスタートダッシュを狙う今季。開幕戦は現体制下では2勝1分2敗と五分の相手との“神奈川ダービー”に臨む。 川崎Fは登里享平（C大阪）、山根視来（LAギャラクシー）ら黄金期を支えた選手たちが移籍。ただ、2月17日には神戸とのFUJIFILM SUPER CUPを制し、順調な滑り出しを見せている。ACLから中2日で臨む開幕戦は、MF山本悠樹やFWエリソンら新戦力の活躍に期待したい。 15:00 セレッソ大阪 vs FC東京（J1） C大阪にとって、今季はクラブ創設30周年を迎える節目の1年。悲願のJ1初優勝へ、今オフは札幌からMF田中駿汰らを獲得し、戦力の底上げに成功した。開幕戦はDF毎熊晟矢に注目。昨季ベストイレブンを受賞し、アジアカップでも活躍した日本代表右SBは、今季もさらなる高みへ駆け出す。 FC東京もリーグ優勝を掲げ、充実のオフシーズンに。札幌からFW小柏剛、鹿島からMF荒木遼太郎、新潟からMF高宇洋といずれも他クラブの主力を獲得した。また、ドイツからはFW遠藤渓太が加入。FW仲川輝人とともに2019年にJ1優勝の立役者となった“横浜FMコンビ”がサイドを牽引する。