ファーウェイ、アンドロイドOSとの「決別」秒読み 独自OSの一般ユーザー向けベータ版を提供開始
中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は10月22日、独自開発OS(基本ソフト)「鴻蒙(ホンモン、英文名はハーモニーOS)」の最新バージョン「ハーモニーOSネクスト」の発表会を開催。一般ユーザー向けのベータ(試用)版の提供開始を宣言した。 【写真】中国のファーウェイ製品の専売店 ハーモニーOSネクストは、それ以前のバージョンに実装されていたグーグルのアンドロイドOSとの互換機能を廃止し、鴻蒙向けのネイティブアプリにのみ対応している。そのため、IT業界内やスマホユーザーの間では「純血鴻蒙」の異名を持つ。
■年初の予告通りにリリース 一般ユーザー向けベータ版の提供のタイミングは、ファーウェイが2024年初めに明らかにしたスケジュール通りだ。同社は1月18日、ハーモニーOSネクストの開発者向けプレビュー版を発表。2024年4~6月期に開発者向けベータ版をリリースし、10~12月期に一般ユーザー向けの提供を始めると予告していた。 「今日は(ファーウェイにとって)特別な日だ。ハーモニーOSネクストは基本ソフトの中核技術における全面的なイノベーションを果たし、端末用OSの自主独立を成し遂げた」。ファーウェイの消費者向け端末事業を率いる余承東氏は、発表会でそう誇らしげに述べた。
ファーウェイは今回の発表会に先立つ10月8日から、同社のハイエンドスマートフォン「Mate 60」シリーズなど一部の端末を対象に一般ユーザー向けベータ版の配信を開始。10月22日からは同じくハイエンドスマホの「Pura 70」シリーズや折り畳み式のコンパクト・スマホ「Pocket 2」シリーズが対象に追加され、2025年にはさらに多くのモデルで利用可能になる予定だ。 2015年に開発がスタートした鴻蒙は、当初は自動運転システムや産業用オートメーションなどIoT(モノのインターネット)向けの組み込みOSとしての用途を想定していた。