北海道内のバス運転手不足の状況

　北海道バス協会（札幌）が加盟社に行ったバス運行を巡る実態調査で、回答企業の7割超が運転手不足の状態にあることが分かった。少なくとも計約500人が足りておらず、解消するには、道内のバス運転手の数を1割近く増やす必要がある。だが、各社は退職者の補充さえ難しく、今春始まった運転手の長時間労働規制に伴う「2024年問題」の影響が深刻化する中、路線バスの減便や廃止が加速しかねない状況にある。 　 　調査は協会加盟の113社を対象に8～9月に行った。このうち路線バス40社、貸し切りバス専業46社の計86社が答えた。回答企業には、北海道中央バス（小樽）など道内大手3社も含まれている。 　運転手が「足りない」としたのは、路線バスは80％（32社）、貸し切りは67％（31社）で、全体では73％（63社）だった。「足りている」は、全体で27％（23社）にとどまった。 　調査では「足りない」とした企業に、具体的な人数も確認。この結果、路線バス362人、貸し切り135人で、計497人が不足していた。 　同協会によると道内の運転手数（23年）は5417人で、回答企業の不足を埋めるには9％以上の増加が必要な計算だ。早期の大幅な待遇改善は難しい会社が大半で、運賃引き上げも消費者の理解を得るのはハードルが高い。人材不足の解消は容易ではない状況だ。