夜の街で非常識、日本人の〝ドケチ〟ぶりがタイで不評 女の子にドリンク出さずチップなし…タクシー運転手に怒声も
【カワノアユミの盛り場より愛を込めて】 今年もタイを訪れている。現在は円安の直撃で日本人の旅行者が激減。タイの歓楽街で日本人を見かける機会も少なくなっており、こちらの夜の街では、日本人にお金を落としてもらおうという期待が薄れていることなどをリポートしてきた。 【写真】タイ・バンコクの歓楽街「ソイ・カウボーイ」 「それでも、昔のタイの物価の安さや、当時の感覚をいまだに引きずっているのか、節約してまでタイで遊ぶ日本人はいまでも見かけます」。そう語るのはバンコクに10年以上住む人物だ。 節約自体は悪いことではない。だが、行き過ぎてタイ人から反感を買うこともあるのだという。 「タイで女の子と遊ぶ相場は10年前の2~3倍と言われています。10年前は1バーツ=約3円でしたが、現在は4.3円。昔から遊んできた日本人の中には値段に納得できず、バービア(安いバー)などの飲み屋でも、スーパーで激安のタイウイスキーを買って持ち込む人もいる。店側としては氷や炭酸水などの割り物や、女の子のドリンクを注文してくれればと容認していますが、女の子にドリンクを出さず、チップも払わない非常識な日本人もいるんです」 ドケチぶりは夜の店以外でも見られるという。 「夜の街でタクシーに乗る際はまず交渉が必要になるのですが、その時『10年前ならこの値段で行けた』などと運転手に大声で怒鳴っている日本人がいました。タクシー代を『サタン硬貨』で支払おうとする人もいます。運転手もこれにはさすがに怒っていました」 サタンとはこちらの通貨単位の一つで、1バーツの4分の1にあたる25サタンはタイにおける最小額のコインだ。つまり、日本でいえば1円玉だけで会計をするようなもので嫌がられるのも当然なのだ。しかし、そこまでして、なぜタイで夜遊びがしたいのだろうか。 「そうした日本人に話を聞くと、『タイには日本にはない夜遊びがあり、タイ人は優しいから』と言います。確かに、日本の夜のお店で同じようなことをすれば出禁でしょう。しかし、タイもそんなケチな客に対していつまでも優しいわけではありません。金を落とすインド人や中国人を優先するようになっています。ただ、いまでも一部では、日本に対して良いイメージを持っている女の子もいるのです」 こうした人は日本でも遊べないからタイにまで来ているのかもしれないが、非常識な行動が原因で、こちらの夜の店の女性たちの間でも『日本人はケチだ』という不評が広まってしまったなどとも聞くという。さらに10年後にはどうなっているだろうか。
■カワノアユミ 20代を歌舞伎町と海外夜遊びで過ごした元底辺キャバ嬢。現在は国内外の夜の街でニッチなネタから盛り場の変遷までを幅広く取材。著書に、アジア5カ国の日本人キャバクラで9カ月間潜入就職した『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)