期待を超える景色が話題に 福岡市街地を一望できるカフェ
日が西に傾く頃、福岡市内の20代の女性2人が来店した。スマートフォンでおしゃれなカフェを探し、店の評価が高かったので足を運んだという。 「夜景も見てみたい、イルミネーションがきれいだろうね」「ずっと揺られていたい気分」――。ハンモック席で1時間ほど″期待以上″の景色を楽しみながら、職場の話題や「恋バナ」に花を咲かせた。
非日常の感覚に
撮影が一段落して、テラス席で腰を下ろし、真下にある福博であい橋を行き交う人たちを眺める。北風を受けて絶えず変化する川面を見つめながら、考え事だろうか――、若い女性がずっとたたずんでいた。しばらくすると同じ場所で、正装したカップルが幸せそうに写真撮影をしていた。どうやら結婚式の前撮り写真のようだ。 沈みゆく太陽の光が、地面に映る影を長くしていく。ビル群の向こうに日が落ち、周囲に明かりがともり始めると、ものの30分で目の前の景色は一変した。 普段の視点では気づくことのない時間の進行、街の表情の変化を感じられた気がする。川辺に立つ建物でドリンクをゆっくり楽しみながら、日常の世界がすうっと後退していくような、不思議で心地よい感覚に浸ることができた。
読売新聞