2024年のポールポジション第1号は阪口晴南! スーパーフォーミュラ開幕戦予選は“ダークホース”が躍動
3月9日、鈴鹿サーキットで2024年スーパーフォーミュラ第1戦の公式予選が行なわれた。予選を制してポールポジションを獲得したのは、阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)だった。 スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿:公式予選結果 多くの注目ドライバーが参戦する今季のスーパーフォーミュラは、例年より1ヵ月早い開幕に。今週末は気温も昼間で10℃を下回る真冬並みの気候となり、土曜午前のフリー走行では雪もちらつくほどの寒さとなった。 予選Q1は例によって2グループに分かれて実施され、A組は昨年のFIA F2で活躍したテオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)ら11台が出走した。 まず好タイムをマークしたのは、昨年の最終戦で初優勝を飾った太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。太田は1分36秒284をマークしたが、このタイムを上回るドライバーは現れず、Q1トップ通過となった。 2番手通過は、怪我からの復帰戦となる山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)。岩佐は3番手で、岩佐と同じくルーキーの木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)が4番手、そして開幕直前でシートを掴んだ松下信治(TGM Grand Prix)が5番手、山下健太(KONDO RACING)が6番手でQ2に駒を進めた。 一方、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)がQ1敗退に終わった。F2王者ということで注目されていたプルシェールだが、カットラインまで0.123秒届かなかった。 続くQ1 B組は、フリー走行トップで勢いに乗る野尻智紀(TEAM MUGEN)や、“女子高生ドライバー”として注目を集めているJuju(TGM Grand Prix)ら10台が出走した。セッション序盤には、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)がヘアピンでスピンする場面もあったが、エンジンは止まっておらず、リバースギヤも使いながらコースに復帰してことなきを得た。 B組で圧倒的な速さを見せたのは野尻だった。野尻はセクターごとに全体ベストタイムを刻みながら周回し、1分35秒862を記録。テストで最も調子の良かった牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も、0.434秒差ながらも2番手につけた。 3番手に阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、4番手坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、5番手福住仁嶺(Kids com Team KCMG)と続き、スピンのあった佐藤も6番手で辛くもQ2に進出した。 一方で小高一斗(KONDO RACING)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、Jujuの4台がQ1敗退。Jujuのベストタイムはトップから4.837秒差の1分40秒699で、依然としてライバルとはタイムに開きがある状態だ。 素晴らしいタイムでQ1を突破した野尻の勢いを感じる中で迎えたQ2だが、ここでの主役は阪口だった。 Q2でまずフライングラップに向かったのは太田。「限界まで攻めた」という太田のアタックは1分35秒880という好タイムだったが、阪口がそれを上回る1分35秒789をマークしてトップとなった。その後を追うように野尻もセクター1、セクター2で全体ベストを更新。コントロールラインを通過したが1分35秒926。Q1よりもタイムを落とす形となった。 これにより阪口はスーパーフォーミュラでの初ポールを手中に収めた。2番手が太田、3番手が野尻だった。4番手には佐藤、5番手には山本と、テストから好調のNAKAJIMA RACINGの2台が続いた。
戎井健一郎
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