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ノーベル賞・野依博士「本気で怒っている」日本の教育に危機感

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「科学者に必要なもの」野依博士の答えは?

―― 次代を担う若者たちですが、学力についてはどうでしょう。  その話をするには、まずこちらから質問しましょう。科学者として成功するには、何が必要なのか分かりますか。 ―― 観察眼やセンスでしょうか。  それらも必要でしょうが、違います。ものすごく単純なんです。自分でいい問題を見つけて、それに正しく答えるということです。この生き方を貫くのです。 ―― そう言われますと、新聞記者も同じですね。自分でいい問題を見つけることが一番重要です。  もちろん、そうでしょう。それで日本の青少年の基礎的な学力ですが、PISA(※3)やTIMSS(※4)などの国際調査結果などを見ると、割と頑張っています。  ただ問題は、学びが消極的な点。積極的に定説に対して疑問を投げ掛けたりすることがない。教科書などに書いてあったら、「ああ、それはそうですね」で済ませ、自分で考え「そうじゃないんじゃないか」と、工夫して挑戦しないのですね。  創造性のある科学者に必要なのは、いい頭ではなく、「強い地頭」。自問自答、自学自習ができないといけない。  それから、感性と好奇心。これが不可欠です。そして新しいことに挑戦しなければいけないから、やっぱり反権力、反権威じゃないと駄目ですね。年配者や先生への忖度(そんたく)は無用です。先生や社会は若者のこの自由闊達(かったつ)な挑戦を温かく見守る必要がある。  今の大きな問題は、好奇心を持って自ら問う力、考える力、答える力。これらが落ちているということ。なぜそうなるのかというと、社会全体を覆う効率主義、成果主義のせい。しかも実は本当の成果を求めていない、形だけの評価制度は許せない。評価は本来、人や物の価値を高めるためにあるのですが、そうなっていない。問題の全体像をつかみ、自ら考えて、答えを得るというプロセスがなければ、知力を培うことは絶対にできません。 (※3)PISA(ピザ)=経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査 (※4)TIMSS(ティムズ)=国際教育到達度評価学会(IEA)の国際数学・理科教育動向調査

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