米司法省、トランプ氏の訴追手続き終了を検討 米報道
米ABCニュースは6日、司法省が5日の大統領選で勝利したトランプ前大統領に対する2件の連邦法違反事件の訴追手続きを終了させる検討に入ったと報じた。「現職大統領が在任中は刑事事件で訴追しない」という司法省の方針に基づく判断だという。具体的な方法は、捜査や裁判を担当してきたスミス特別検察官を中心に協議している。 トランプ氏は2023年、20年大統領選の結果を覆そうとした事件と退任時に機密文書を自宅に持ち出した事件で相次いで起訴された。トランプ氏は過去のインタビューで、復権した場合にスミス氏を「即刻解任する」と述べ、起訴を取り下げさせる考えを示していた。 トランプ氏は、不倫関係を主張する女性に支払った口止め料を巡って東部ニューヨーク州の親族企業の業務記録を改ざんした事件と、20年大統領選を巡って南部ジョージア州当局に干渉した事件でも、それぞれ州法違反罪に問われている。ニューヨーク州法違反事件では有罪評決が出ており、11月26日に量刑言い渡しを控えている。 25年1月に大統領に返り咲いても、トランプ氏が州法違反事件に関して自身に恩赦を与えたり、起訴を取り下げさせたりする権限はない。しかし、裁判を続ければ、大統領の職務執行に支障が出るだけに、トランプ氏側は裁判の取りやめや先送りを求めるとみられている。【ワシントン秋山信一】