彼女と結婚が決まりました。お小遣いが少なそうなので、独身時代の貯金は自分用にとっておきたいのですが…… 彼女に話さなくてはいけませんか?
独身時代に貯めたお金であっても、結婚後は夫婦共有のものになるのではないかと考える人もいるのではないでしょうか。自分が一生懸命貯めたお金であること、結婚後のお小遣いの足しにすることを目的に、彼女には内緒で自分用の預金として管理したい人もいることでしょう。 本記事では、独身時代に貯めたお金が夫婦共有のものになるのか、独身時代の貯金額などを結婚相手となる彼女に話すべきなのかについて解説します。
結婚前の貯金は夫婦共有の財産ではない
独身時代に貯めたお金は夫婦の「共有財産」ではないため、あえて結婚相手となる彼女に詳細を伝える義務はありません。婚姻期間前の貯金は「特有財産」に該当し、夫婦の共有財産にならないからです。 共有財産とは、夫婦が共に築いた財産を意味します。婚姻期間中に夫婦の協力によって形成・維持された財産のことで、離婚時の財産分与の対象になるものです。 特有財産は、独身時代に自分が築いた財産につき、全額自分のものとして問題ありません。自分のお金として、彼女に秘密の口座を作成して管理したり、必要なタイミングで使ったりするとよいでしょう。 ◆離婚時に財産分与の対象となるもの 離婚する際には、財産分与によって婚姻期間中に夫婦で協力して形成・維持した財産を分配する必要があります。財産分与の対象になるものは、現金だけでなく以下のように財産的価値の高いものが対象です。 ・夫または妻の名義で貯めた預金 ・土地・建物など不動産 ・投資信託や有価証券 ・家具・家電 ・自動車 ・宝石 ・美術品 ・骨董(こっとう)品 ・夫または妻が受け取る年金や退職金 ・夫または妻が保険料を払い込んだ生命保険や損害保険 婚姻期間中に形成・維持された財産ならば、夫または妻のどちらかの名義や収入で取得した場合でも共有財産とみなされます。財産分与の割合は、原則として2分の1を基本としていますが、夫または妻のいずれかの寄与度が高い場合は、2分の1ではなく双方の合意によって決定する場合があります。 また、財産分与には、住宅ローンや教育ローンなどで借り入れた負債なども含まれているため、マイナスをどのくらい受け入れるかどうかの話し合いが必要になるでしょう。