楽天に屈辱的超前進外野守備シフト……12戦連続白星無しでオープン戦最下位確定の巨人は大丈夫なのか?
オープン戦15試合で、チーム本塁打16本は12球団中トップだが、チーム打率.232は10位と低迷。またチーム防御率4.19も9位と悪い。 新潟アルビレックスBCのチーム強化アドバイザー&総合コーチで、巨人のコーチ経験もある評論家の橋上秀樹氏も「巨人の戦力は整っていない」と厳しい見方をしている。 「そもそも昨年巨人がなぜ優勝したのかが、さっぱりわからない。菅野が不調で外国人も機能せず、決して戦力が整っていたわけでもないが、他チームとの相対的な問題で勝てたにすぎない。それで優勝できたのは、原監督の手腕なのだろう。今年の菅野は計算できるが、山口の穴は埋まっていないし、外国人に関しては、未知数。今年も戦力は整っていない。昨年、私はヤクルトの2軍コーチとして巨人の若手を見てきたが、魅力のある選手はいなかった。小粒の印象が強く、キャンプからモタが目立つようでは苦しい。例えば、亀井はいい選手だが、37歳の彼を押しのける選手が出てきていないということは、選手層に厚みがないということを示している」 ただ、この日、ひとつ光明はあった。先発の鍬原が、6回途中まで3安打2失点9奪三振とゲームを作ったのだ。特に落差のあるシンカーが効果的で、試合後、原監督は「(ローテーの)大候補だと思う」と評価した。中央大卒3年目のドラフト1位。昨季はブルペン起用だったが、今季は先発でテストされている。 それでも課題は先発陣の整備。まだ”ポスト山口”のメドが立っていない。菅野、新外国人のサンチェス、今日15日に投げる田口、2年目の戸郷の4人までしか名前が出てこず、第5、第6の先発が、白紙状態になっていた。本来なら入ってくるはずの高橋優が肘に違和感を覚え、期待の桜井も結果を出せていない。そういう状況下での鍬原の好投は朗報だろうが、計算の立つ先発候補ではない。 「オープン戦の順位はレギュラーシーズンの順位に関係ない」が定説で、実際、巨人は、2008年も2勝10敗3分けでオープン戦最下位だったが、その年、優勝している。原監督3年目のシーズンで、オープン戦不振の影響を受け開幕から出遅れ、独走していた阪神に最大13ゲーム差をつけられたが、そこから逆転優勝を遂げ「メークレジェンド」と呼ばれたシーズンだった。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)