【高校サッカー選手権】腐らず這い上がり大舞台でのスーパーゴール 静岡学園MF天野太陽が挑む3年間の集大成
11月16日、第103回全国高校サッカー選手権静岡予選2次予選決勝が小笠山総合運動公園エコパスタジアムで行われ、静岡学園が浜松開誠館に2-0で勝利し、2年連続15回目の選手権出場を決めた。 【フォトギャラリー】 浜松開誠館 vs 静岡学園 「今日の試合、しっかり走って守備の部分で貢献したいっていうのは思っていました。そこについては考えてたことが結構ちゃんとハマったので良かった。入りから自分たちのしたいサッカーができ、良い時間帯に先制点が取れて、自分たちの思うような試合運びができた」と、試合後、選手権出場を決定づけるその距離50mのスーパーゴールを決めたMF7天野太陽はスッキリとした表情で試合を振り返った。 「自分の持ち味はチャンスメイクだったりするんで、点を取らせるだったりとか、点を取るっていうところにその武器を持っています。それを発揮できるのは前なんで、その意味では前線で積極的にボールに関われました」と自らを評価する天野だが「本当はキーパーと1対1のところとかは決めて欲しかった。ああいうところが、やっぱり課題。しっかりとチャンスで決めるようにならないと」と川口修監督からは、期待があるからこそ、厳しい言葉も投げかけられる。天野自身も外したあのシュートを「決めないと勝てるゲームも勝てないっていうのがあるので、そこはこれからもっと決定力上げていかないとダメだと思います」としっかり理解はしている。 そしてダメ押しとなった50mのスーパーゴール。「2点目を決めたところは、自分の思い切りの良さが出たと思います。最初のパスカットまでは狙ったんですけど、そこからは味方を使おうか、シュートを打とうか迷ってて、ゴールを見たらキーパーが結構(前に)出てたんで、思いっきり打ちました。シュートチャンスがあれば積極的に打っていくっていうのは今後やっていきたい」と胸を張った。 彼ならではの戦術眼の高さと判断力が十分に発揮されたシュートは、浜松開誠館にとってもガックリと肩を落とさざるを得ない一撃だった。 今シーズンは所属する高円宮杯U-18サッカーリーグ2024プレミアリーグWESTで開幕から5連敗を喫し、一時は降格の危機を危ぶまれた静岡学園(11月20日にプレミアWEST残留決定)。その後、チーム内競争は激化。天野自身も「スタメンを外れてからサブに回ることが多くて。それでも腐らずに 絶対スタメンに出るっていうのを目標にやってきました」と振り返る。 腐らず強い気持ちを持って取り組んだ末、掴み取った栄冠。「一番の目標は全国優勝することなんですけど、昨年は2回戦で敗れてしまってるんで、そこは絶対突破して全国大会で優勝できるように頑張りたいと思います」。 天野自身にとっては「1年生の時こそ長かったが、その後はあっという間」だったという3年間。集大成となる最後の選手権が天野本人にとって長い日々になる様に切に願う。 (文・写真=西山和広)