人見知りにも程がある、一億総「コミュ障」時代に突入か? 日本人は遺伝的に不安になりやすい!?
100年後の日本は、世界で一つの “内向的な民族ばかりのよくわからない不思議な国”になる可能性
「日本人は話し下手でコミュニケーション能力が低い」。以前からこうした厳しい評価があるのは多くの日本人が知るところ。 【画像】人見知りにも程がある…!機内で隣席の知らない人に話しかける…日本人はたったの15%で最下位、ワースト2位の国は? とくに初対面の相手を前にすると、能力の低さは顕著にあらわれる。外国人の多くは相手が知らない人であろうと気さくに応じられるが、人見知りの日本人は真逆。気さくどころか緊張して思ったように話せなくなる人も少なくない。 こんな興味深い調査結果がある。 ’19年に「エクスペディア・ジャパン」が行ったフライト内コミュニケーションに関する意識の国際比較調査(1年以内に飛行機に乗った、かつ、ホテルに宿泊した、世界23ヵ国の男女18237名を対象としたもの)によると、機内で、隣席の知らない人に話しかけると答えた人の割合は、1位のインド人60%に対し、日本人はたったの15%と最下位。 さらに、頭上の棚に荷物を入れるのを手伝うと答えた人の割合は、1位のオーストラリア人50%に対し、日本人は24%とこちらも最下位。4人に1人しか手伝わないことがわかった。 例えば、街中で困っている人を見ても声をかけられない、逆に見知らぬ人から親切を受けたときでも御礼の言葉が出てこない、同じマンションの住人でもよく知らない相手とは挨拶できない。 飲食店を出る際の「ごちそうさまでした」のひと言が伝えられない……。機内という特別な空間でなくても、こうした日常での体験なら思い当たる人も多いのではないだろうか。 悲しいかな、これが“人見知り大国ニッポン”の現実なのかもしれない。 この現実に目を向けると、ひとりの日本人として危機感を覚えるのだが、コミュニケーション講座などを主宰する公認心理師の川島達史さんによれば、人見知りを自覚している日本人は多くても、危機意識を持つ人は実に少ないという。 「何年も前から度々聞くようになった『ダイバーシティ』『多様性』という言葉が、『何でもあり』を許容しているようなところがあります。 例えば、会社の飲み会に参加しない人がいても、“人は人、自分は自分”。個を尊重すべき多様性の時代だから他者は意見を言ってはいけない、といった空気がある。 私が行っている企業研修の場で、『隣の人と会話をしてみてください』とお願いすることがあるのですが、多くの人が抵抗感を示します。 会社に言われて仕方なく研修を受けている人は “やらされている”感が全面に出てしまっている(笑)。会話はしたい人とすればいいのであって、したくない人とまで挨拶や会話を強要するのは踏み込みすぎだろう、というのが本音なのだと思います」(川島達史さん・以下同)