消える和菓子店…「荒城の月」江戸時代から続く老舗の最後の日 山積する課題で惜しまれながらも閉店を決断【大分発】
店には午前中から途切れることのない客の姿
この日は閉店を知った昔からのファンが次々と店を訪れ、従業員に感謝やねぎらいの言葉をかけた。 ――客は「もう30年以上食べている。奥さんの実家に行くと茶の間にはいつも荒城の月があった」 ――客は「食べ納めで買いに来た。皆にも配る」 ――川口晃生さん「感謝しかない。県内のあちこちから来てくれてありがたい」 地域で受け継がれてきた和菓子店の閉店は川口自由堂だけではない。同じく竹田市の名物として知られる「はら太餅」を製造・販売している和菓子店・生長堂も後継者の不在と原材料高騰を理由に今月閉店することとなった。
「歴史ある店に足を運んで」老舗を盛り上げる動きも
老舗の閉店が相次ぐ中、伝統の和菓子を盛り上げようという動きもある。 老舗和菓子店でつくる全国銘産菓子工業協同組合が2023年にはじめたのが、御朱印ならぬ「御菓印」の取り組みでだ。歴史ある各地の和菓子店に足を運んでもらおうと企画したもので各地の本店で一定額以上の買い物などをすると、各店が趣向を凝らしたオリジナルの御菓印を手に入れることができる。 全国銘産菓子工業協同組合では「店に足を運んでもらうことで、改めて地域で受け継がれてきた伝統の味と歴史を知ってもらうきっかけの1つになれば」と話している。 手土産や家庭のおやつとして温もりを伝えてきた地域の和菓子店。惜しまれながらも消える老舗が増えることにどう向き合うのか。 地域の人口減少や原材料価格の高騰など難しい課題が重なっている。 (テレビ大分)
テレビ大分