八重樫を悩ます最強挑戦者とデング熱騒動?
大橋会長は、力強い八重樫応援団の来日も用意した。 大橋会長の現役時代のライバルで「小さな巨人」と呼ばれた、リカルド・ロペスが、息子でボクサーのアロンソ・ロペスを伴って来日、八重樫応援団としてリングサイドに陣取る予定だ。リカルド・ロペスは、大橋会長からWBC世界ストロー級のベルトを奪って以降、22度の防衛を果たして無敗のままリングを去った、元祖軽量級最強ボクサー。大橋会長とは、親交が続いていて、ロペスがロマゴン対策を八重樫に授けるという。また現役時代に『韓国の鷹』と恐れられた伝説のボクサー、元WBC世界ライトフライ級王者の張正九も来日予定。張正九は八重樫がタイトルを獲得した五十嵐俊幸戦の前にも電話で激励をしている。勇気が必要な試合だけでに歴代王者の顔がズラリと揃うことは八重樫にとっては頼もしくもあり刺激にもなるだろう。 ただ、ロマゴンと同時にプロモーターとして大会を主催する八重樫陣営を、さらに悩ませる、もうひとつの問題がある。代々木公園が発症場所とされるデング熱騒動である。 試合会場の代々木第二体育館は、その問題の代々木公園内にある。出場選手に関しては記者会見や計量などの行事は都内で行われ、試合は体育館のため、関係者入り口までは車で移動。公園内をウロウロして媒介する蚊に刺される危険性は少ない。また例え刺されたとしても発症まで3日から14日程度の潜伏期間があるため、試合への直接的な影響はないが、来場するお客さんへの不安はある。すでに前売り券は完売。当日券を残すのみだが、その発売窓口も外で体育館内に感染菌を持った蚊が紛れ込む可能性も少なくはない。 大橋会長は、何か防虫施設を設置できないものかと、蚊取り線香などの防虫剤で有名な金鳥(大日本除虫菊株式会社)に直接、連絡を入れたという。 「キンチョウに連絡をしたんだけど、『うちは家庭用で業務用は取り扱っていない、そういう相談は都の方へ』と言うんだ。そこで都の方に連絡を入れたんだけど、すでに代々木公園内での駆除活動は行っていて、あくまでも個人で注意をしてもらうしかないという話だった。お客さんの皆さんには防水スプレーなどの予防をお願いしたい」 この日の記者会見では、途中、フリーのカメラマンが突然倒れて中断してしまうアクシデント。事前に起きたデング熱問題といい、9・5代々木のリングには、何やら予期せぬ結末が待っていそうな予感がする。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル