CEOに聞く CGアニメで独創的なニュース報道を行う―― ネクスト・メディア・アニメーション
これまでのメディアと全く異なるCGアニメーションによるニュース「TOMOニュース」を展開しているネクスト・メディア・アニメーション(以下、NMA)。この春には、日本版もリリースし、少しずつ話題を集めています。既存のニュースメディアの概念を打ち破り、次世代のメディアを立ち上げた経緯、そしてこれからのメディアについて、CEOのキース・ン氏に聞きました。 次世代のニュースメディア 台湾の「TOMOニュース」に潜入
事件のプロセスを再現して伝えたい
――CGアニメーションによるニュースメディアを立ち上げるきっかけは? 「NMAは2007年、香港に設立された。サービスはオーナーのジミー・ライ(Jimmy Lai)が発案したものだった。既存のメディアは事件が起こってから取材して、写真におさめ、テキストにまとめる。事件自体が起こったことは、それでも伝えられるが、『事件がどういう風に起こったか』というプロセスを再現しては伝えられない。CGアニメーションで事件を再現し、どういう流れで事件が起こったかを伝えたい、という目的でこのサービスを立ち上げた。香港で創立し、同じものを台湾に、ということで設立された。
紙媒体は伸びなくなると感じていた
――キースさんがこの会社に興味をもった理由は 「僕は今から10年ほど前、近い将来には紙媒体が伸びなくなる、と切実に感じていた。インターネットの台頭はメディアにも変化を求めてきた。それと同時に紙媒体で、テキストと写真を使って報道するより、もっとニュースを分かりやすく伝える方法がある、と考えていた。2010年にこの会社に入ったのですが、オーナーのアイディア、考え方に共感したから。これまで映像の世界に携わっていたので、このスピード感ですべてを進めていることにとにかく驚いている。この業界でスピードを最優先するというのは、普通は考えないこと。それなのに、スピード重視で、作り上げてしまっているところがすごいと思う。今後、世界一になって、アニメーションの業界を一変させたいと思っている。オーナーも僕もアニメーションによるニュースの未来を信じている。失敗を恐れては行けない」